乳がんの体験談

悩みや不安を抱えたときにどのようにがんと向きあえばよいのか。
自分らしくがんと向きあう患者さんやご家族の体験談・メッセージなどをご紹介します。

みなさまの
体験談
家族
  • がんの治療を継続中

乳がん 59歳 女性 主婦

一昨年(平成18年)の9月、実家の母が乳がんになって手術を受けた。「おまえが乳がんになってから、私も気になっていつも胸を調べていたんや。そしたらなんか塊のようなものがあったんで、診てもらったら乳がんやった。手術を受けなあかんで、保証人を頼むわ」と言われて愕然とした。

 そのとき母は84才。その年で乳がんなんて!手術の後のさまざまな治療に耐えれるのだろうか?だが母は、左の乳房を全摘し、放射線治療も抗がん剤治療も必要としない道を選んだので、手術後の経過は順調だった。

 私の職場から近い場所にある病院だったので、仕事帰りに見舞いに寄ると、母はいつも大喜びした。「ここにいると、お前の顔がたびたび見れて嬉しい。ありがとう」と言いながら、「今日はあの人とこの人が見舞いに来てくれた」とか、「先生も看護師さんもとてもいい人で優しくしてくれる」とか、「部屋掃除の人とも仲良くなって、こんな話をしたよ」とか、楽しそうに良くしゃべった。

 母の部屋には見舞い客が絶えなかったので、いつ行ってもお菓子や果物がたくさんあった。私が「何か必要なものはない?」と尋ねると「何もいらんけど、これとこれを持って帰ってや」と言われるのが常だった。こんなに楽しそうに入院生活を送った人を私は他に知らない。

 今は母は膝が悪いため週2回デイサービスに通いながら、施設の人たちと仲良くなり、「みんな親切にしてくれる。お風呂も丁寧に入れてくれるし、お昼ご飯を食べて昼寝をしたり、工作をしたり計算問題を解いたり、生け花を習ったりして毎日本当に楽しいわ」と言って喜んでいる。母の場合は、本当に軽く済んで良かったのだった。

 私ががんになってから、自分の話を人にすると、「あら、私もそうなの!」とか、「私の妹が…」とか「私の友達が…」とか「私の知り合いが…」とかいろんな情報が急に流れてくるようになった。

 同じ職場にも胃がんになった人がいる。同じ地域にいる住む人にも大腸がんになった人や乳がんになった人がいる。ついこの間(H21,12月)いつもお世話になっていた人が胃がんの中でも治癒が難しい胃がんで亡くなった。

 私の周りで、がんが野火のように拡がってきている。そんな気がして仕方がない。

勇気づけられた言葉、場面

母の手術の後、主治医の方から「もう、これでこの方はほぼ天寿を全うするまで生きられるでしょう」と言ってもらえたこと。

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