乳がんの体験談

悩みや不安を抱えたときにどのようにがんと向きあえばよいのか。
自分らしくがんと向きあう患者さんやご家族の体験談・メッセージなどをご紹介します。

みなさまの
体験談
患者
  • がんの治療を継続中

乳がん 58歳 女性 会社員

2008年6月、太りすぎが気になりだして「何とかしなくては」と焦り始めました。放射線治療、抗がん剤治療、それに肋骨骨折が続いてまともに運動できる状況ではなかったのですが、手術前より太ってしまったのです。がんになったらやせ衰えてガリガリになる、というのは一昔前のイメージなのか。聞くところでは抗がん剤治療を始めてから10kgぐらい太ってしまった人もいるそうです。

 そこで、トレーニングマシンのペダルをこいだり、仕事帰りに河原の公園で歩いて帰ったりするのが日課になりました。少しペダルをこぎすぎたかな、と思った日の次の日、膝が痛くなりました。 「しばらく無理しないで我慢していれば治るわ」と軽く考えて、痛み止めの薬を飲んだり座薬を使ったり、時に近くの医院で痛み止めの注射を打ってもらったりしていたのですが治るどころかだんだんひどくなり、ビッコをひかないと歩けないくらいの痛みがしばらく続きました。

 人の勧めにより会社から遠くない整形外科を受けに行き、今までの病歴を話したところ、先生はテキパキと検査の指示をしてくださり、「念のためMRIの検査も受けたほうがいいでしょう」と、別の病院へ連絡を取って予約を入れて下さいました。

 一週間に一度の関節注射、そして会社の昼休みにできるだけリハビリをしにきたところ、膝の痛みはみるみる軽減していきました。 ところが、MRIの検査の結果、膝関節の少し下に黒い影がはっきり写っていたのです。 「膝の痛みとは別の原因かも知れませんね。悪性の可能性もあります。もし、がんの骨転移だとすると、痛みも何もなくても気を付けないといけない。歩いていていきなり足の骨がボキッと折れて初めて骨のがんだと分った人も実際にいます。足の激しい運動は絶対にしないで下さい」

 そう言って先生は私ががんの手術をした病院の整形外科へ紹介状を書いて下さり、診察日に合わせて予約を入れて下さったのです。  診察日が来るまでの間、何も考えないでおこうと思っても夜になると目が覚めて眠れない日が続きました。

 ようやく病院の診察日が来て、またMRI、骨シンチと検査が続きます。骨シンチの検査結果を聞きに言った時、病院の先生はこう言われました。 「何か腫瘍のようなものができていることは間違いありません。それが何なのかは切ってみないと誰にも分りません。できたら生検を受けることをお勧めします」  不安な思いを抱えてきた毎日、もう、こんな思いをいつまでも続けたくはない。私はその場で会社と主人に電話を入れ、生検を受ける日を決めた。  生検といっても、5日間の入院。手術前に先生から説明を受ける。「手術は下半身麻酔により行います。もしそれが腫瘍であれば良性であってもその部分の骨を削り取り、骨セメントを詰めて治療します。悪性であれば放射線治療をすることになります」  どっちにしても逃げ道はないのか、とため息の出る思いだった。

 手術の直後、悪性ではないと告げられた。退院して初めての診察日、詳しい話を聞きに行くと「あれは腫瘍ではありませんでした」とのこと。「骨の中に軟骨ができる“骨内軟骨”というものです。

そのままの大きさであれば、何もする必要はありません。もし、どんどん大きくなっていくようであればやはり骨を削って治療する必要があります。まあ、2〜3年ぐらいは3、4ヶ月おきに様子を見ていきましょうか」 「執行猶予付き、ですか」ホッとした思いでそう言ってからもう7ヶ月になります。今のところその軟骨が大きくなっているという変化は無いようです。

勇気づけられた言葉、場面

生検の日をその日に決めてもいいかと、会社へ電話をかけた時

「会社のことは何とでもするので、自分の体を第一に考えて!」と
同僚が答えてくれたこと。

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