食道がんの体験談

悩みや不安を抱えたときにどのようにがんと向きあえばよいのか。
自分らしくがんと向きあう患者さんやご家族の体験談・メッセージなどをご紹介します。

みなさまの
体験談
患者
  • がんの治療を終了し、定期的な検査通院中

食道がん 65歳 男性 薬剤師

2017年2月頃、食事をする際に喉のつかえを感じて、食べやすいうどんを食べていても吐く状態となりました。これはおかしいと思い、病院で内視鏡検査を実施したところ、食道内径の2/3が腫瘍でふさがっていました。私は医療関係者なので、その画像をDrと一緒に見てすぐにがんだと認識できました。
その後、精密検査をおこない、転移(リンパ節、副腎等)もあったため食道の腺がんステージWと告げられました。かなり落ち込みましたが、出来る最善を尽くすことをDrにお願いしました。考えてみますと、食道裂孔ヘルニアを健康診断で指摘されても治療もせず、炎症を繰り返すことが原因でがん化したのかもしれません。あの時食道裂孔ヘルニアの治療をしっかりしておけばと後悔しています。転移があり手術が出来なかったので、2週間に一度の抗がん剤を11クール実施した結果、転移巣は消え、原発腫瘍も小さくなって手術可能となりました。手術先は別の病院を紹介され、検査をしたところ、完全寛解しているので手術をせず半年様子を見ることになりました。ところが、その後再発し、再び抗がん剤を5クール実施して、手術をすることになりました。食道がんが確定してから1年半後に手術をしたわけです。抗がん剤の副作用として、指先、足首から下のしびれが現在も残っています。しかし、命があって良かったと思い、がんの置き土産として気にしないようにしています。
手術は9時間におよびました。出血は少なく回復に向かっていましたが、数日後に腹部の激痛があり、その夜に再度開腹することとなりました。やはり腹膜炎を起こしており出血巣を取り除いたそうです。まぁ、それは今まで経験したことがなかった痛みでしたね。その6カ月後に食物の詰まりを起こしたので、2回ほどバルーンで拡張して通りをよくしてもらいました。それ以外は手術後全く治療をせず、再発・転移もなく経過観察中です。胃は1/5になり胃酸分泌も1/10と言われましたが、食事は1日3-4食にわけて食べており、お陰様で体重も手術前に戻り元気にしています。時々ダンピング現象がありましたが、今は事前に分かるようになって回避しています。

勇気づけられた言葉、場面

抗がん剤が5クールを迎えたころ、薬が著効したこともありDrからの励ましの言葉がとても嬉しかったです。また、妻の献身的努力が自分を支えたと思っています。