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がん患者さんが働くということ

がんと診断された時、治療のことはもとより仕事のこと、家族のことで悩み、不安になるのも無理はありません。だからといって、すぐに現在の仕事を辞めてしまうのは早計です。ここでは、がんの治療と仕事を両立していく上で必要な情報の整理について紹介します。

 がんは、もはや「不治の病」ではありません。医学の進歩に伴い、がんの治療は急速な進歩をとげ、がん患者さんの生存率も向上しています。また、化学療法や放射線治療の多くも、入院から外来へと移行し、早期に病気前の日常生活に戻ることや、仕事を続けていくことが可能になってきました。

 それでもまだまだ「がん=死」、「大変な病気になってしまった」とショックを受ける人も少なくないでしょう。また、がんの治療のために長期間仕事を休むことや、副作用や手術後の後遺症などにより、「気力、体力ともに低下し、病気前と同じように働けなくなる」、「職場に迷惑をかけたくない」、「治療と仕事を両立する自信がない」などの理由で、仕事を辞められた方の4割以上ががんと診断されてから最初の治療が開始されるまでに退職しているという調査報告※1があります。

 退職を選択するということは、がん患者さん本人のみならず、会社にとっても、社会にとっても残念なことです。さらに、がん治療には高額な医療費がかかる場合や、その治療が長期間に及ぶ場合もあります。経済的な支えという点でも、これまで続けてきた仕事を継続していくことは大きな意味があります。

 特に、がんと診断されてショックを受けているとき、心が混乱しているときは、「仕事を辞める」という重大な決断をすることは避けたほうがいいでしょう。少し気持ちが落ち着いたら、まずはご自分の状況や病状について理解し、情報を集め、その情報を整理してから考えてみることが重要です。

多くのがん患者さんが、仕事をしながら治療をしています

 平成18(2006)年、全国どこでも同じレベルの医療が受けられる環境を整備することなどを目的として、「がん対策基本法」が成立しました。(平成19(2007)年4月1日施行)さらに平成28(2016)年に成立した「改正がん対策基本法」では、がん患者さんの働く環境を改善する施策の拡充も目標に入れられ、会社が「事業主の責務」として、がんになっても雇用を継続できるような配慮をすることが明記されました。 また、平成29(2017)年3月、政府の「働き方改革審議会」では、病気の治療と仕事の両立を社会的にサポートする仕組みを整えることが打ち出されました。

 このように社会的にも、がん治療と仕事が両立できるように、さまざまな環境が整えられてきつつあります。厚生労働省の調査で、仕事を持ちながらがんの治療で通院している人は32万5000人いることがわかりました※2(グラフ1)。

 もしかしたら、周りの人にはがんのことを伝えていなくても、がんの治療と仕事を両立させている人が、あなたの近くにもいるかもしれません。

<グラフ1>

<グラフ1>
※1
厚生労働省 離職タイミング多施設調査・2015
※2
厚生労働省 平成22年国民生活基礎調査

自分の病状、治療、働き方について整理してみる

(1)主治医とコミュニケーションを取り、まずは自分の病状を理解する

 がんと診断され、その後、さまざまな精密検査を受けると、主治医から病状や治療についての説明があります。ご自分のがんの部位やステージなど、わかりやすく説明してもらうなど、医師としっかりコミュニケーションを取り、まずはご自分のからだのこと、病気のことをしっかり把握しましょう。

 治療については、どのような手術をするのか、入院期間はどのくらいかかるのか、退院後の抗がん剤治療や放射線治療のスケジュール、その副作用や後遺症にはどのようなものがあるのかについて、納得できるまで医師と話してみてください。あるいはメモを取っておいて、わからないことは看護師に聞いてみたり、後ほどご自分で調べてみたりするのもいいでしょう。

 このときに、主治医にご自分の業務内容や職場の状況を伝え、治療中もこれまで通り働くことができるのか、仕事についての制限はあるのか、もし副作用が仕事に大きく影響する場合に他の治療方法はあるのか、なども確認しておきましょう。それにより、今後の働き方がイメージしやすくなり、会社に病気のことを伝え、配慮を求める場合に非常に役立ちます。

(1)主治医とコミュニケーションを取り、まずは自分の病状を理解する

(2)看護師やがん相談支援センターにも相談を

 「主治医から説明を受けたが、その内容がよくわからない」、「先生はとても忙しそうだから、細かく質問できなかった」、「先生の前では、何も言えなくなってしまう」など、医師とコミュニケーションを取るのが苦手な人もいるでしょう。

 その場合は、説明を受けたときに同席していた看護師、または外来の看護師に相談してみてはどうでしょうか。そのときに医師からの説明のときに取っていたメモが役に立ちます。わからない医療用語、脱毛や皮膚障害などの治療に伴うアピアランス(外見)の変化、特に日常生活における副作用への対処法については、看護師は豊富な知識を持っています。

 また、各都道府県のがん診療連携拠点病院には、「がん相談支援センター」(詳しくは、復職就労支援ツールページへ)があります。ここでも、がんに関するさまざまな相談に乗ってもらえます。治療についてわからないこと、納得できないこと、治療や仕事との両立について不安に思うことなどを相談してみるのもいいでしょう。がん相談支援センターは、その病院に通院していない方でも、患者さんのご家族だけでも相談できる地域に開かれた施設です。

(3)働くことの意味や働き方について、立ち止まって考えてみる

 がんの診断直後は、「今まで仕事を頑張ってきたのに、もう以前のようには働けない」と落ち込んだり、「会社にがんのことが知られたら、今の仕事から外されてしまうのでは」と不安になったりすることもあります。しかし、治療のために仕事を休む期間は、ご自分の働き方、働くことの意味を、立ち止まって考えみる機会ととらえてはどうでしょうか。
経済的に必要だから、今の仕事にやりがいを感じているから、職場の仲間といるのが楽しいからなど、人によって働くことの意味や想い、働き方はさまざまです。その想いとがんの治療とをどのように両立させるのか、心の声に耳を傾けてみるのもいいのではないでしょうか。

 もし、「あんなストレスフルな仕事は続けられない」、「少しのんびりしたい」、「前からやってみたかった仕事をしたい」と思った上、経済的な見通しがつくのであれば、そのときに初めて「退職」という決断をしても遅くはないでしょう。

(3)働くことの意味や働き方について、立ち止まって考えてみる

(4)家族や身近な友人にも相談し、協力体制を整える

がんの治療は手術や放射線治療、抗がん剤治療など、治療が長期に及びます。

 治療を続けていく上でも、仕事と両立させていくためにも、身近なご家族の支え、協力は欠かせません。そのためには、ご家族も一緒に診断や治療方法を聞きにいくなど、お互いに病気のことをしっかり理解しておくことが大切です。

 特に仕事と両立させていくためには、家事はご家族にも分担してもらうなど、できるだけ負担を軽くする必要があります。仕事中は何とか元気な姿を見せられていても、自宅に戻ったとたん、ぐったりしてしまうかもしれません。明日の体力を養うためにも、特に配偶者、子どもも小学校以上であれば、お手伝いをしてもらうなど、家庭内での協力体制を整えておくことをお勧めします。

 また、ご家族と同居されていない方の場合は、家事はできるだけ手抜きできる方法を考えておく、どうしてもからだがつらいときは、身近なお友達に助けを求めるなど、一人で抱え込まない、頑張りすぎないことも、仕事と両立させながら、治療を完遂するためには必要です。


監修:国立がん研究センター がん対策情報センター

参考資料

  • 厚生労働科学研究費補助金「働くがん患者の職場復帰支援に関する研究―病院におけ
    る離職予防プログラム開発評価と企業文化づくりの両面から」研究班 がん治療ス
    タッフ向け治療と職業生活の両立支援ガイドブックVer.1 2017年
  • 厚生労働省 事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン 2019年3月
    改訂版
  • 国立がん研究センターがん情報サービスがんと仕事のQ&A 第2版 2014年
  • 東京都福祉保健局 がん患者の就労等に関する実態調査報告書 2014年
  • がん対策推進基本計画(第3期) 2018年3月

2019年7月掲載

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