よくある質問治療に関するQ&A
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すぐに治療を始めるように勧められましたが、
必要でしょうか?
マントル細胞リンパ腫(MCL)は悪性リンパ腫の中でも進行がゆっくりであるといわれていますが、それゆえに多くの方が進行してから見つかることが多い病気です。また、MCLの中でも進行が速いタイプが存在するため、治療を勧められた場合はできるだけ早く始めたほうがよいと考えます。
すぐに治療はせず経過観察といわれましたが、
大丈夫でしょうか?
マントル細胞リンパ腫(MCL)の中には、病気の進行がゆっくりなタイプがあります。進行がゆっくりなタイプを見分けるのは難しいのですが、がん細胞の形状や遺伝子の状態で判断できることがあります。進行がゆっくりなタイプは症状があまりみられない場合もありますが、定期的な通院は欠かさないでください。また、経過観察中に気になる症状があらわれたら、なるべく早く医療機関に連絡しましょう。
治療は、どのように決めますか?
以下の要素を総合的に考え、治療を決めていきます。
- マントル細胞リンパ腫(MCL)のタイプ
- 病期(ステージ)
- 年齢や全身の状態
- 患者さんの希望
入院で治療をするか通院で治療をするかは、行う治療によって異なりますが、決定にあたって患者さんの希望は重要なポイントになります。患者さんによっては「通院回数を減らしたい」、「仕事を続けたい」などの希望があると思います。主治医に伝えた上で、納得がいくまで相談してみてください。
治療期間や費用はどのくらいかかるのでしょうか?
どのような治療を行うかは患者さんの病期(ステージ)をはじめ、年齢や全身の状態、合併症などによってさまざまなパターンが考えられます。選択する治療により必要な期間や費用は大きく異なるため、主治医や医療機関の窓口に確認や相談をしてください。その際には、「できるだけ入院せずに治療をしたい」「〇月までに治療を終えたい」など、生活上の希望について事前に整理しておくとよいでしょう。また、費用に関しては、高額療養費制度をはじめ、がん治療を支える公的な助成制度があります。
移植は難しいといわれました。なぜですか?
マントル細胞リンパ腫(MCL)の治療では、薬物療法とともに造血幹細胞移植も選択肢になります。ただし、造血幹細胞移植の治療はすべての方に行えるわけではありません。造血幹細胞移植は移植前に体内のがん細胞を可能な限り減らすための薬物療法が行われるため、体への負担が大きい治療です。また、移植後にも免疫力の低下に伴うさまざまな併存症や合併症のリスクがあるため、患者さんの体が耐えられるかどうかを評価した上で、移植を行うかを判断します。主な評価の基準としては、年齢と全身状態、合併症の有無が挙げられます。また、移植を行わない場合には、患者さんに合わせた薬物療法を検討していきます。
薬物による治療はいつまで続きますか?
マントル細胞リンパ腫(MCL)の治療では、リンパ節などのがん細胞(病変)が消失する「完全奏効」もしくは一定以上消失する「部分奏効」と呼ばれる状態を目指します。あらかじめ決められた一定期間の治療を行った後、「完全奏効」もしくは「部分奏効」が得られて症状などもおさまれば、次の治療を始めるまで様子をみることが多いと思われます。
なお、MCLは一度縮小した腫瘍が再び大きくなったり、症状が再びあらわれる「再発」が多い病気だといわれています。再発した場合でも別の治療選択肢があるので、再び治療を始めることができます。
治療による副作用が心配です。
治療前に起こりうる副作用の説明を受けると、不安な気持ちになる方は多いと思います。ただ、必ずしもすべての副作用が起こるわけはではありませんし、治療の内容や治療前の体の状態によっても副作用の出方は異なります。また、副作用に対処するための薬剤も進歩しています。そして、事前にこれらの情報を知って備えることは、不安の軽減につながります。
なお、実際に治療を開始してあらわれた副作用については、その症状や程度が患者さんご本人にしか分からないため、一人で抱え込んでしまうことがあるかもしれません。つらい症状があれば、一人で悩まずに主治医や看護師など、身近な医療従事者に知らせてください。副作用に対してできることがないか、長く治療を続けるための方法を患者さんと一緒に考えたいと思います。
医師から提案された以外の治療はありませんか?
通常のがん治療(手術療法、薬物療法、放射線療法)を補ったり、代わりに行う医療として、補完代替療法というものがあります。サプリメント、健康食品、鍼灸など、インターネットやSNSでは、さまざまな補完代替療法が紹介されています。ただ、補完代替療法は科学的な根拠を示す臨床試験が行われていないものがほとんどです。なかには、有害なものや、通常のがん治療の効果を妨げる可能性があるものも含まれるため、補完代替療法を希望する場合は、必ず主治医に相談をしましょう。
なお、厚生労働省の『eJIM(イージム):「統合医療」情報発信サイト』ではエビデンス(根拠)に基づいた補完代替療法の情報を分かりやすく紹介しています。
厚生労働省 「統合医療」に係る
情報発信等推進事業
https://www.ejim.mhlw.go.jp/
[2025年6月30日アクセス]
セカンドオピニオンとは具体的にどのようなものですか?
セカンドオピニオンとは、自分の病気や治療方針について、主治医とは別の医師の意見を聞くことです。主治医の意見をファーストオピニオンとすると、セカンドオピニオンは主治医以外の医師の意見を聞くことを意味します。
診断や治療に関しては、主治医と十分に話し合い、納得をして治療を受けることがとても大切です。ただ、主治医と十分話し合いをした場合でも、別の医師から診断や治療に関する意見を聞きたいと思うことがあるかもしれません。
セカンドオピニオンを受けることで、主治医の意見を別の視点からも検討することができます。もし、主治医と同じ診断や治療方針が説明された場合には病気に対する理解が深まることがありますし、別の治療法が提案された場合には治療選択肢が広がることで、より納得して治療に臨むことができます。
なお、セカンドオピニオンでは検査や治療を行いません(検査や治療は主治医が行います)。また、セカンドオピニオンに必要な費用は公的医療保険が適用されず、全額自己負担になります。
セカンドオピニオンを受ける場合は主治医に相談して紹介してもらう、がん相談支援センターに相談する、病院の地域連携センターや医療ソーシャルワーカーに相談するなどの方法があります。

- 国立がん研究センター:がん情報サービス セカンドオピニオン.
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/dia_tre_diagnosis/second_opinion.html [2025年6月30日アクセス]
感染症に注意するようにいわれたのですが、
どうしてですか?どのような対策をすればいいですか?
マントル細胞リンパ腫(MCL)は、白血球の中のリンパ球の一つであるB細胞ががん化する病気です。B細胞はウイルスや細菌などの外敵を排除するため、「抗体」という物質をつくる細胞などに変化するのですが、がん化すると正常な抗体をつくることが難しくなります。また、MCLに対する治療によっても、ウイルスや細菌などの病原体に感染しやすくなります。
日常生活での感染症対策としては、手洗い・消毒やうがいを行う、けがをしないように注意する、マスクを着用する、といったことが挙げられます。また、治療の状況にもよりますが、インフルエンザや肺炎球菌については予防接種を受けることが勧められます1)。加えて、新型コロナウイルスワクチンについても接種を前向きに検討することが勧められます2)。
- 国立がん研究センター:がん情報サービス 感染症.
https://ganjoho.jp/public/support/infection/index.html [2025年6月30日アクセス] - 日本癌学会:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A-患者さんと医療従事者向け ワクチン編第2版-
https://www.cancer.or.jp/modules/about/index.php?content_id=26 [2025年6月30日アクセス]
臨床試験とは何ですか?
臨床試験とは、薬や治療法などが有用かどうか調べるために、効果や安全性を確かめる試験のことです。臨床試験の中でも特に、「薬の候補」が「薬」として一般的に使うことができるようになるために、製薬会社が得られたデータを国(厚生労働省)に提出し、新しい「薬」として承認を得ることを目的に行う試験を「治験」といいます。
臨床試験ではさまざまなデータを収集する必要があるため、限られた医療機関で行われるとともに参加する方にも条件があります。臨床試験に参加できるかどうかを知りたい場合、まずは主治医に相談しましょう。
- 国立がん研究センター:がん情報サービス 研究段階の医療(臨床試験、治験など)について.
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/clinical_trial/index.html [2025年6月30日アクセス]