どんな病気?マントル細胞リンパ腫(MCL)
の経過

マントル細胞リンパ腫(MCL)は悪性リンパ腫の中では進行がゆっくりなタイプ(インドレントと表現される)に分類されていますが、進行してから見つかることが多い病気です1)。また、標準的なタイプよりも進行が速いタイプや、反対に進行が遅いタイプも存在します。

マントル細胞リンパ腫(MCL)はインドレントリンパ腫で、
診断時は進行していることが多い1)

悪性リンパ腫は病気の進行具合から、「インドレントリンパ腫(年単位で進行)」、「アグレッシブリンパ腫(月単位で進行)」「高度アグレッシブリンパ腫(週単位で進行)」に分類されます。MCLはこのうちインドレントリンパ腫に分類されます。
MCLはゆっくり進行するとともに、症状が出てからでないと気づきにくいため、多くの方が診断時に進行がみられる病気です。

悪性リンパ腫の臨床分類

インドレント:年単位で進行、アグレッシブ:月単位で進行、高度アグレッシブ:週単位で進行 MCLはインドレントリンパ腫
一般社団法人日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版)より作成

標準的なタイプよりも進行が速いタイプがあるが、
反対に遅いタイプもある2)

MCLの一部には進行が速いアグレッシブなタイプが存在します。この進行が速いタイプでは、標準的なタイプと比べてがん細胞の形態やサイズが異なることが分かっています。
一方で、がん細胞がマントル層のみにしか広がらないタイプや、がん細胞の広がりはみられるもののリンパ節れや症状に乏しいタイプもあります。これら進行が遅いタイプでは、標準的なタイプとがん細胞の形態や遺伝子の変化が異なるとされています。

  • 一般社団法人日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版).
  • 木崎昌弘ほか 編:WHO分類第5版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学, 中外医学社, 2024.