どんな病気?マントル細胞リンパ腫(MCL)の
病期(ステージ)

マントル細胞リンパ腫(MCL)では、がん細胞(病変)の広がりを評価することが大切で、複数の検査によってどの病期(ステージ:がんの進行度)に属するかを確認します(病期診断)。

マントル細胞リンパ腫(MCL)の病期は各種検査で評価される

病期診断の結果は、病気の進行の予測や治療方針の決定に影響を与えます。病期診断ではCTPETなどの画像検査に加えて、骨髄検査、場合によっては消化管内視鏡検査などを行います1)
MCLの病期分類には他の悪性リンパ腫と同じ、Ann Arbor(アン・アーバー)分類、Ann Arbor分類の修正版であるLugano(ルガノ)分類が用いられます。病変が広がる場所と数により、「限局期」と「進行期」の二つに分けられています2)

マントル細胞リンパ腫の病期:
Lugano (ルガノ)分類

限局期Ⅰ期:病変は1カ所のみリンパ節のみにある または 1つの臓器に病変があるが、リンパ節には病変がない 限局期Ⅱ期:横隔膜を境に上側または下側に2カ所以上の病変がある または 1カ所のリンパ節とその近くの1つの臓器に病変がある 限局期Ⅱ期バルキー(bulky):通常より大きい病変(バルキー病変と呼ぶ)がある場合、Ⅱ期バルキーとして、進行期として扱うことがある 進行期Ⅲ期:横隔膜を境に上側と下側の両方に複数の病変がある または 脾臓の病変と横隔膜の上側に複数の病変がある 進行期Ⅳ期:リンパ節に加えて離れた場所の臓器にも病変がある bulky(バルキー) リンパ節

山本  一仁 先生 監修
Cheson BD, et al. J Clin Oncol 2014;32(27):3059-3068より作成

  • 飛内賢正ほか 監修:悪性リンパ腫治療マニュアル(改訂第5版) , 南江堂, 2020.
  • 一般社団法人日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版).