納得して治療を受けるために
膀胱がんの治療、どう選ぶ? ~対話で納得のいく選択を~
膀胱がんの治療には、
さまざまな選択肢があります
膀胱がんの治療には手術、薬物療法、放射線療法など、いくつかの方法があります。
しかし、「この治療がもっともよい」と決まっているわけではありません。それぞれにメリット・デメリットがあり、日常生活への影響も異なります。
患者さん一人ひとりの病状や価値観、ライフスタイルによって、最適な治療は異なります。
治療に対する考え方は、
人それぞれです
例えば、ある人は「副作用は気にしないので、効果の高い治療を受けたい」と考えるかもしれません。一方で、別の人は「できるだけ仕事を続けたい」、「副作用が少ない治療を選びたい」と思うかもしれません。どの考えも正しく、すべて尊重されるべきものです。
それぞれの患者さんが自身の考えや希望に基づいた納得のいく治療を選択するために、重要になるのがシェアード・ディシジョンメイキング(SDM)という考え方です。
シェアード・ディシジョンメイキング(SDM)とは?
従来の治療方針の決定は、医療者がもっともよいと考える治療法を提示し、患者さんがそれに「同意するかどうか」を判断するという流れが一般的でした。
このように、医療者が主導して治療方針を決定する方法をインフォームド・コンセントといいます。
一方で、患者さんと医療者が協力して、最適な治療を一緒に決めていくプロセスのことをSDMといいます。
SDMでは、患者さんは医療者から提示された治療選択肢について理解し、自分の考えや希望を伝えたうえで、どの治療が自分に適しているのかを話し合いながら決めていきます。
このプロセスでは、患者さんと医療者が十分にコミュニケーションをとることがとても大切です。
近年では治療に対する価値観が多様化していることに伴い、医療において患者さんの意思を尊重することがより重要視されてきており、SDMが注目されています。
SDMの進め方
治療方針を決める際には、次のステップを意識しながら、納得のいく治療を選択するようにしましょう。
- 治療の選択肢について理解する
- 医療者から考えられるすべての治療選択肢を提示してもらい、それぞれの治療のメリット・デメリットについて説明してもらいます。
疑問や不安がある場合は、遠慮せずに医療者に相談し、納得できるまで話を聞くようにしましょう。
- 自分の考えや希望を伝える
- 治療について理解するだけでなく、「自分はどうしたいのか?」を考え、医療者に伝えるようにしましょう。医療者は医学的な情報をもっていますが、あなたの価値観やライフスタイルまではわかりません。
だからこそ、治療の選択においては「どんな治療を受けたいのか」、「何を大事にしたいのか」、あなた自身の価値観や考えをしっかり伝えることが大切です。
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- 話し合いながら治療方針を決める
- 情報を共有したら、提示された治療選択肢の中から、医療者と一緒に治療方針を決めていきます。
しっかりと話し合い、納得して治療を選ぶようにしましょう。
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