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前立腺がんへのよくある質問

監修:
群馬大学名誉教授 黒沢病院予防医学研究所所長 山中 英壽 先生
協力:
黒沢病院予防医学研究所 熊坂 文成 先生/加瀬 嘉明 先生

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分からないこと、不安に思うことなど、よくある質問に専門医がお答えしています。

症状

早期発見と発見が遅れた場合では、その後の治療や予後にどのような違いがあるのですか?

早期発見の場合は、ホルモン療法や放射線療法、前立腺全摘除術など治療選択肢も多く、根治する可能性が高くなります。一方、発見が遅れた場合は、治療の選択肢も少なくなり、根治が難しくなります。前立腺がんは早期発見に努めることが大切です。50歳を過ぎたら年に1度はPSA検査を受けましょう。

特に自覚症状などはありませんが、検査を受ける必要はありますか?

前立腺がんの特徴として、早期には自覚症状がほとんどありませんが、症状が出たときにはすでにがんが進行していることがあります。前立腺がんを早期に発見するためにも、また、がんでないことを確認して安心していただくためにも、特に自覚症状がない場合でも定期的に検査を受けることが大切です。また、50歳を過ぎると前立腺がんの患者数は増えていきますので、年に1度はPSA検査を受けるようにしてください。

早期前立腺がんと診断され、手術を受けました。手術後の再発率はどのくらいですか?

根治を目的にして前立腺を摘出しても、術後5年以内に25~35%が再発してしまいます。しかし、この再発とは、術後低下したPSA値(0.1ng/mL未満)が再上昇を始めた(0.2ng/mL以上)というもので、画像診断では再発の場所が特定されない「PSA再発」です。これが進行すると、がん病巣がCT検査や骨シンチグラフィーなどで明らかに見えるようになり、「臨床的再発」となりますが、それでもすぐには症状としては現れないことがあります。

最近、尿の回数が多くなりました。これは前立腺がんの症状ですか?

健康な成人男性の場合、通常の1日の排尿回数は5~6回ですが、8回以上になると頻尿と考えられています。頻尿も前立腺がんの初期症状の一つとして考えられます。ただし、前立腺がんでなくても、腎臓や膀胱などの他の病気が原因になっている場合もありますので、一度、泌尿器科で検査を受けることをお勧めします。

前立腺がんは痛いのですか?

前立腺がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどなく、痛みもありません。前立腺がんが進行して尿道を圧迫するようになると、排尿時あるいは射精時に痛みを感じる場合もあります。また、尿閉(尿が出なくなる状態)になると、尿が腎臓から膀胱へ流れず腎臓にたまるため、背中が痛くなることがあります。前立腺がんがさらに進行して体の表面のリンパ節に転移すると、その部分が腫れたり痛くなったりします。骨に転移すると臀部や腰の骨の痛みを伴うことがあります。

前立腺がんになると性機能は失われるのですか?

前立腺がんが大きくなると、尿道や膀胱の出口を圧迫するため、排尿が困難になるとともに性機能に支障をきたす場合があります。また、治療による副作用で性機能障害を発症することがあります。勃起障害が起こった場合は、勃起不全治療剤などにより治療をすることができます。性機能障害に関する治療については、主治医とよく相談してみましょう。

最近尿が出にくくなりましたが、前立腺がんの可能性はありますか?

前立腺がんでは、前立腺にできたがんがある程度大きくなると尿道を圧迫するようになり、尿が出にくくなるといった症状がみられることがあります。前立腺肥大症でも、肥大した前立腺が尿道を圧迫するために同じような症状があらわれます。尿が出にくいなど気になる症状がある場合には、泌尿器科を受診して検査を受けることが大切です。

前立腺がんになるとどのような自覚症状があらわれますか?

前立腺がんは、早期には自覚症状はほとんどあらわれません。進行すると、がんが尿道や膀胱を圧迫して、尿が出にくい、排尿時に痛みがある、尿や精液に血液が混じるなどの症状があらわれることがあります。また、骨に転移すると腰や肩などが痛くなることもあります。自覚症状がなくても、前立腺がんを早期に発見するために、50歳を過ぎたら年に1度はPSA検査を受診してください。

前立腺肥大症と前立腺がんはどう違うのですか?

前立腺肥大症は、前立腺の病気のなかでもっとも多くみられる病気です。良性前立腺腫大(Benign Prostate Enlargement, BPE)という、過剰に成長した前立腺組織に尿道が圧迫され狭くなることにより尿の流れが妨げられる状態に、膀胱下(尿道)閉塞(Bladder Outlet Obstruction,BOO)、下部尿路症状(Lower Urinary Tract Symptoms,LUTS)が絡み合うことで、さまざまな排尿障害があらわれます。尿がでにくい、トイレの回数が多くなる、尿をしたあとすっきりしない、などの自覚症状(下部尿路症状)があらわれます。排尿に関連する症状があらわれるようになると日常生活に支障をきたすこともあるため、適切な治療が必要になります。しかし、なかには前立腺腫大があっても症状がみられない人もいます。

一方、前立腺がんは、主に外腺(尿道から離れた部分:辺縁領域)に発生するため、早期では自覚症状はあらわれません。がんが進行し、尿道や膀胱を圧迫するようになると、排尿時の症状や血尿などがあらわれるようになりますまた、良性前立腺腫大は前立腺がんに進むことはないと考えられています。

前立腺がんかも・・・と悩んでいますが泌尿器科に行くのは抵抗があります。泌尿器科でないと駄目でしょうか?

すでに何らかの自覚症状があって、前立腺肥大症や前立腺がんではないかと心配している場合は、すぐに泌尿器科に相談するほうがよいでしょう。かかりつけの病院がある場合は、そこから紹介してもらう方法もあります。

また、ご家族に前立腺がんの方がいたり、年齢的に気になるようであれば、前立腺がん検診(PSA検査)を受診してみましょう。PSA検査は前立腺がんの早期発見のための最も有効な手段です。最近ではPSA検査を実施している自治体も増えており、集団検診の通常の血液検査項目に加え、オプションで行うことが可能です。PSA検査を希望される場合は、市町村の集団検診や人間ドック検診などに問い合わせてみましょう。

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