膀胱がんと生きる
患者さんが語る“治療後の生活”
※本サイトに掲載している体験談は、個々の患者さんへのインタビューの内容に基づき作成しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。また、本サイトに記載されている症状などがあっても、膀胱がんとは限りません。ご自身の症状で気になることがあれば、医療機関を受診し、医師にご相談ください。
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性別男性
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診断時の年齢60代後半
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現在の年齢70代前半
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診断筋層浸潤性膀胱がん
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治療歴術前化学療法、
膀胱全摘除術
治療後
膀胱全摘除術を受けた後は、新たに尿をためておく場所となるストーマ装具(パウチ)をお腹に付けて生活するようになりました。常に装具があるという違和感を和らげるため、ウエストがゴムのズボンなど装具を締め付けないゆったりとした服を着るようになりました。また、手術を受ける前は頻尿のため夜中に何度も目が覚めたり、外出時にトイレを気にしたりしていましたが、装具を付けるようになってからそういった心配がなくなりました。
また、手術を受ける前は頻尿のため夜中に何度も目が覚めたり、外出時にトイレを気にしたりしていましたが、装具を付けるようになってからそういった心配がなくなりました。
個室トイレが混んでいるときなどに排泄物の処理を小便器で行うことがあるのですが、その際、下着を下までおろす必要があるため、周りの目が気になっていました。そこで、下着に穴を開けて、そこから装具の排出口を出して処理できるようにしました。この工夫によって、ストーマであることが気付かれにくくなり、周りの目を気にせずに排泄処理ができるようになりました。
また、排泄物を処理する際に尿の状態をチェックしており、食べ過ぎたときや疲れているときは色が普段と違うことに気付きます。そうした変化から自分の健康状態を意識するようになり、食生活や体調管理にも気を配るようになりました。
交換は4日に1回、入浴時に行います。湯船に浸かる前に剥離剤で装具を外して、ストーマの周辺を丁寧に洗います。入浴中は唯一装具を外して過ごせる時間で体も心も解放されるようなリラックス感があります。
入浴後はストーマ周辺をしっかり乾かしてから新しい装具を付けるようにしています。
術後1年目は4ヵ月ごと、以降は6ヵ月ごとに定期検診を受けていました。5年間の経過観察を一区切りとされていたため、「あと3年、あと2年」と残りの期間を数えながら、再発することなく無事に5年を迎えられることを願って過ごしていました。実際に5年間経過したときは、大きな安堵と先生への感謝の気持ちでいっぱいになり、妻とも「ここまで頑張ったね」と声をかけ合い喜びを分かち合いました。その後も先生に勧められて、現在は1年に1回、造影剤を使ったCT検査とMRI検査を受けています。定期的に異常がないことを確認することで、安心して日常生活を送ることができています。
その後も先生に勧められて、現在は1年に1回、造影剤を使ったCT検査とMRI検査を受けています。定期的に異常がないことを確認することで、安心して日常生活を送ることができています。
メッセージ
お腹に付けている装具を意識しない日はありませんが、実際に生活してみると、思っていたほど不便を感じていません。服装や日常生活の工夫で十分に対応でき、不安に思うほど生活に支障はありません。膀胱全摘除術やストーマ造設に不安を抱えている方には、安心して前向きに治療を受けてほしいと伝えたいです。