納得して治療を
受けるために

患者さんが語る“治療決定までの経緯と治療の実際”

患者カード 患者カード Bさん
  • 性別
    男性
  • 診断時の年齢
    70代前半
  • 現在の年齢
    70代前半
  • 診断
    筋層浸潤性膀胱がん
  • 治療歴
    術前化学療法、
    膀胱全摘除術
Bさん
Bさんの病歴 1~3 4~5 6 Bさんの病歴 1~3 4~5 6
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受診~診断

別の疾患の検査で異常がみつかり泌尿器科を受診、膀胱がんと診断される
1 ~ 3
膀胱がんと診断されるまでの経緯を教えてください。

もともと腰の治療のために整形外科に通院しており、手術を受ける予定でした。その事前検査として血液検査、尿検査、CT検査を受けたところ、数日後に膀胱の検査をしたほうがよいということで、泌尿器科を受診するよう連絡がありました。
泌尿器科であらためて尿検査とCT検査を受けたところ、先生から「膀胱に影がみえます」と言われ、さらに詳しく調べるために膀胱鏡検査を受けた結果、膀胱がんと診断されました。
その後、がんが筋層にまで到達しているかどうかを確認する目的で、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を受け、筋層浸潤性膀胱がんであることが確定しました。

自覚症状はありましたか?

自覚症状は特にありませんでしたが、泌尿器科を受診するよう連絡を受けた後に、突然、真っ赤な血尿が出ました。痛みはなく、それまで何も症状がなかったため驚きました。「もしかして膀胱に何かあるのかもしれない」と思ったのを覚えています。

膀胱がんと診断されたとき、どのような気持ちでしたか?

とにかく不安で、「これからどうなってしまうのだろう」という気持ちでいっぱいでした。これまで大きな病気もせずに過ごしていたので、突然「がん」と診断されたことが衝撃で、その場で「あとどれくらい生きられるのだろう」と考えてしまいました。
診断を聞いたその日は不安で夜も眠れず、インターネットで病気のことを調べていました。厳しい情報もある一方で、さまざまな治療法があることなど前向きな情報に触れると少し気がまぎれました。

男性

同席して診断を聞いていた妻も相当なショックを受けた様子で、その後、家で泣き崩れていました。これまで元気に働いてきた私の姿を知っているからこそ、妻のほうが動揺していたのかもしれません。

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治療法の提案~決定

医師との対話を通じて、術前化学療法と膀胱全摘除術を選択 4 、 5
治療法について、医師からどのような話がありましたか?
TURBTの病理検査の結果が出る前

先生からは、がんが筋層に達していなかった場合と、筋層に達していた場合のそれぞれの治療法について説明があり、病理検査の結果に応じて治療方針を決める、という話がありました。

TURBTの病理検査の結果が出た後

病理検査の結果、がんが筋層に達していることがわかり、先生から膀胱全摘除術が必要であると、あらためて説明を受けました。
事前に聞いていた他の治療法についても確認しましたが、先生からは、「TURBTの所見からがんが筋層の深いところまで入り込んでいる可能性があります。それも踏まえて根治を目指すためには膀胱全摘除術が必要です」と言われました。
また、まずは抗がん剤治療でがんを小さくしてから手術を行う、という治療全体の流れについても話がありました。

抗がん剤治療と膀胱全摘除術の話を聞いて、どう思われましたか?

抗がん剤治療については、事前にインターネットで調べていた内容と同じ治療であることがわかり、心構えができていました。
膀胱全摘除術については、膀胱を摘出することや新たな尿の出口となるストーマを造設することへの不安がまったくなかったわけではありませんでした。しかし、私と同じように筋層まで達していた膀胱がんの患者さんの記事などを読むうちに「長生きしたければ摘出するほうがよいのかもしれない」と思うようになりました。さらに、先生から「もしこのまま手術を受けなければ余命が2年を切る可能性もあります」と言われ、できるだけ長く生きたいという気持ちが強まり、手術を受けることに大きな迷いはありませんでした。

治療法を決めるまでに、医師との話し合いで工夫したことを教えてください。

病理検査結果の前に説明を受けたときは、まだ知識がほとんどなく、先生の説明も難しく感じました。そのときは言われたことを一方的に聞いているだけ、という状態でした。
そこで病理検査の結果が出るまでの期間にインターネットでいろいろと調べて予備知識を持ってから話を聞くようにしたところ、先生の説明が少しずつ理解できるようになり、疑問やわからない点をその場で質問できるようになっていきました。
また、あらかじめ聞きたいことを整理しておくと、自分の中でも考えがまとまり、先生にも質問しやすかったと感じています。例えば、手術前だけではなく、手術後にも抗がん剤治療を行う方法があることを知り、先生に聞いてみたところ、「Bさんの場合、膀胱を摘出してがんをきれいに取り除くことができ、さらに転移がみられなければ、手術後の抗がん剤治療を行う必要はないと考えています」と説明を受けました。そうしたやり取りを重ねるなかで、治療に対する理解が深まり、納得して手術前の抗がん剤治療と膀胱全摘除術を受けることを決めました。

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治療実施

術前化学療法と膀胱全摘除術の実際 6
抗がん剤による術前化学療法と膀胱全摘除術を受けてみてどうでしたか?

術前の抗がん剤治療は、投与の日とお休み期間を合わせた3 週間を1 回として、4 回受けました。
また、膀胱全摘除術については、手術を受ける前にストーマ外来の先生からストーマについて説明がありました。ストーマを造設した後は寝たきりのような生活になるのではないかという不安がありましたが、山登りやテニスを楽しんでいる方がいること、工夫すれば温泉にも行けることなどを教えてくださり、気持ちが楽になりました。手術自体は約9 時間と長時間でしたが、事前に聞いていた通りの時間で無事に終わりました。

男性
ご自身が受けた治療を振り返って、いかがですか?

膀胱全摘除術に対して最初は少し不安がありましたが、最終的には納得して治療を受けました。
手術後に先生が自信のある表情で「大丈夫。がんはきれいに取れたし、転移もなかったので心配いらないですよ」と言ってくださり、安心したことを今でも覚えています。

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