納得して治療を
受けるために
患者さんが語る“治療決定までの経緯と治療の実際”
※本サイトに掲載している体験談は、個々の患者さんへのインタビューの内容に基づき作成しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。また、本サイトに記載されている症状などがあっても、膀胱がんとは限りません。ご自身の症状で気になることがあれば、医療機関を受診し、医師にご相談ください。
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性別男性
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診断時の年齢50代後半
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現在の年齢60代後半
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診断筋層非浸潤性膀胱がん
から
筋層浸潤性膀胱が
んへ進展 -
治療歴経尿道的膀胱腫瘍
切除術
(TURBT)、
膀胱内注入療法、
膀胱全摘除術
受診~診断
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もともと糖尿病や高血圧症の持病があり、1ヵ月に1回、かかりつけの内科クリニックに通院していました。受診のたびに尿検査をしていたのですが、あるとき尿に血が混ざっていると指摘を受けました。自覚症状は特になく、そのときは「疲れているのかな」と思いました。
ところが先生から「念のため泌尿器科で検査をしたほうがよいと思います」と言われ、泌尿器科クリニックを紹介されました。その日のうちに受診し、膀胱鏡検査を受けたところ、「膀胱がんの可能性が高いです」と言われ、さらに詳しく調べるために、近くの総合病院を紹介されました。
紹介先の総合病院であらためて膀胱鏡検査を受けた結果、膀胱がんと診断されました。
「膀胱がん」と言われたときは、強いショックを受けました。「まさか自分ががんになるなんて」と思い、ステージなど詳しいこともわからないまま、「もう自分は死ぬのかもしれない」とまで考えました。
そして、まず思い浮かんだのは家族のことでした。当時はまだ学生の子どもたちがいたため、「もし自分がいなくなったら・・・」と不安になりました。また、両親に対しては「親より先に自分が亡くなることになるかもしれない」と思い、申し訳ない気持ちで涙が出ました。
筋層非浸潤性膀胱がん
TURBTの提案~実施~
膀胱がん再発
返す
~
先生からは「がんは筋層には達していないと考えられるため、まずは経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)という内視鏡手術でがんを切除する方法が選択肢になります」と提案されました。その場で治療を受けることを決め、TURBTを行うための入院手続きをすることになりました。
TURBTは問題なく終わり、先生からは「目にみえるがんは取り除きました。がんはまだ膀胱の筋層まで達していない状態なので、ひとまず安心してください」と説明を受け、少しほっとしました。
一方で、「膀胱がんは再発しやすいので、今後は3ヵ月ごとの定期検診で経過をみていきましょう」と言われ、再発しやすいと聞いて心配になりましたが、再発していないかを確かめるためにもきちんと検診を受けていこうと思いました。
最初の定期検診では「再発はみられません、問題なさそうですね」と言われ安心しましたが、その3ヵ月後の検診で再発がみつかり、2回目のTURBTを受けました。
その後も3ヵ月ごとに検診を受けていましたが、血尿が出たり、見た目ではわからなくても尿検査で血が混ざっていると指摘されたりすることがありました。そして再発がみつかるとTURBTを行う、という流れを繰り返しました。多いときには1年に2回手術をすることもあり、結果として合計6回ほどTURBTを受けました。また、その間に再発予防のため、BCG(カルメット・ゲラン桿菌)による膀胱内注入療法を受けたこともありました。
定期検診のたびに「再発していませんように」と願っていましたが、再発がみつかると「ああ、またか」と落胆し、「死が近づいているのではないか」という不安を感じていました。
筋層浸潤性膀胱がん
膀胱がん進展~膀胱全
摘除術の提案~実施
、
最初のTURBTを受けてから4年ほど経った頃に先生から「がんが膀胱の表面だけでなく筋層にまで達してきたので、膀胱を摘出する膀胱全摘除術という治療を考えたほうがよいと思います」と提案されました。
さらに、「治療法の選択肢は他にもありますが、できるだけ長生きすることを目指すためには、膀胱全摘除術が適していると思います」という説明も受けました。
また、「膀胱全摘除術については後日あらためて詳しく説明しますので、ご家族など一緒に話を聞いてほしい方がいれば同席してください」と言われ、これは大変な治療なのだと感じました。そこで、妻と子ども、両親に同席してもらうことにしました。
膀胱全摘除術では膀胱だけでなく前立腺など周囲の臓器も一緒に摘出することや、腸管を用いて腹部に新たな尿の出口となるストーマを造設する尿路変向術を行うことについて説明がありました。また、術後は男性機能を失うこと、そして尿をためておく場所となるストーマ装具(パウチ)を付けて生活することになると言われました。
膀胱と周囲の臓器を摘出することや、長時間の手術になると聞いて不安も感じましたが、同時に「これが生きる方法なんだ」と受け止めました。
一番の理由は、家族のためにできるだけ長生きしたいという思いからです。また、これまで何度も治療をしていただき信頼していた担当の先生と泌尿器科の責任者の先生のお二人から膀胱全摘除術を勧められ、この治療方針が自分には適しているのだと感じました。
治療法の説明の際に同席していた家族も私の考えを尊重してくれて、治療方針について全員が納得したうえで膀胱全摘除術を受けることを決めました。
膀胱全摘除術は約10時間に及ぶ大きな手術でしたが、無事に終わりました。ただ、術後は体力が回復するまでに時間がかかり、少しずつ体を動かすところから始めていきました。
また、ちょうどコロナ禍の時期だったため面会が制限されており、家族と直接会えない時間が続いたこともあり、少し心細かったですね。
最初は筋層非浸潤性膀胱がんと診断され、TURBTを受けました。その後およそ4年間にわたり再発とTURBTを繰り返した末、筋層浸潤性膀胱がんへ進展し、膀胱全摘除術を受けました。
再発や筋層への浸潤がみつかり死を覚悟したときのことを思うと、今こうして生きているのは治療を受けたおかげだとあらためて感じています。膀胱を摘出するのは大きな決断でしたが、振り返ってみると、膀胱全摘除術を受けたことに後悔はしていません。