日常生活
3. 仕事や趣味
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仕事を辞めることができないのですが、治療をしながら仕事を続けることはできますか?
胆道がんになったことでそれまでの生活を急激に変える必要はありません。ただし、病気や症状の程度が及ぼす影響は人によってさまざまです。手術をした後、あるいは薬物療法を受けながら仕事を続けることは可能ですが、同じ治療法であっても効果や副作用・後遺症は患者さん一人一人で異なります。毎日の生活は、ご自身の体調に合わせて行動することが大切です。元の自分というよりも「今の自分の最良の状態」についての理解・納得することが必要です。休職されていた方が復帰される場合には、受けている治療や病状、そして職種によっても実施可能な働き方やお仕事の内容が異なるため、主治医と相談のうえ治療中の体調とのバランスをみながら段階的に元の働き方に戻るようにしましょう。
ご自身の職業や生活習慣にあった最善の治療法を主治医やソーシャルワーカーと相談されることをお勧めします。また、「がん相談支援センター(下記のリンク参照)」では、仕事の内容を職場と病院で共有し、仕事と治療の両立について主治医とともに支援していますので、活用してみてください。【復職された胆道がんの患者さんが
治療中に気を付けること】- 元の健康な時とは異なる「今の自分の最良の状態」について理解・納得し、仕事に支障を来すような状態や症状がある場合は、その症状はゆくゆく改善するのか、緩和療法などで和らげることができるのかなどで、仕事内容や生活設計を検討しましょう。
- 治療の影響で体力が低下していたり、身体がだるかったりすることもあります。翌日にも疲れが残り、体を動かすのもつらいのは、「無理をしすぎている」というサインですので、ご自身の体調に合わせて無理をしないことが、お仕事を続ける上でも重要です。
- 薬物療法を受けている時は、免疫機能が低下する可能性があるため、細菌やウイルスなどの感染症にかからないように気を付ける必要があります。お仕事で外出される際は、マスクの着用、うがいや手指の洗浄・消毒などの基本的な感染症対策を行いましょう。
<参考文献>
がん研究会有明病院、ほか 編. 胆道がんの治療とケアガイド. 金原出版. 2013年. P84, 152-155.
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旅行や山登りが趣味なのですが、今までのように趣味を続けることはできますか?
基本的には旅行や趣味を続けていただいて構いません。ただし、治療内容によっては避けたほうがよいことや注意すべきこともあるため、活動範囲について主治医に相談しましょう。
趣味は人生を自分らしく生きるためのものです。ご自身が大切にされている趣味について、ぜひ主治医に話してください。薬物療法のスケジュールを旅行に合わせて変更したり、その日に体調が良くなるように治療を調整したりすることが可能です。薬物療法によって白血球が少なくなる時期は感染のリスクが高くなるため、旅行先の衛生状態や飲料水、外食時の注意点を確認し、うがいや手洗いをしっかり行うことが必要です。
体調が悪い時には無理はせず、ひどく疲れるようなことがないように心がけましょう。また、体調に変化があったときの対応などについて確認しておきましょう。<参考文献>
がん研究会有明病院、ほか 編. 胆道がんの治療とケアガイド. 金原出版. 2013年. P84.
監 修
神奈川県立がんセンター
総長 古瀬 純司、がん相談支援センター 得 みさえ