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分からないこと、不安に思うことなど、よくある質問に専門医がお答えしています。
転移・再発
根治を目的にして前立腺を摘出しても、術後5年以内に25~35%が再発してしまいます。しかし、この再発とは、術後低下したPSA値(0.1ng/mL未満)が再上昇を始めた(0.2ng/mL以上)というもので、画像診断では再発の場所が特定されない「PSA再発」です。これが進行すると、がん病巣がCT検査や骨シンチグラフィーなどで明らかに見えるようになり、「臨床的再発」となりますが、それでもすぐには症状としては現れないことがあります。
がん治療の基本は、一般的には、可能なら手術でがん病巣をとり除き治すことです。前立腺がんでもその通りですが、進行の遅いおとなしいがんである場合も多く、平均の発症年齢が高いことから、必ずしも根治という意味で「治す」必要がない場合もあります。肥大症の治療などで偶然、がんが見つかったものの、がんが進行・悪化するまでには何年もかかるため、がんとは関係なく亡くなる場合もあるからです。
ほかに手術ができないのは、がんが進行して前立腺外に転移している場合や、高齢のため、あるいはほかに持病があって全身状態がよくない場合です。全摘除術を行っても再発する可能性がある一方、手術せずに放射線療法やホルモン療法でコントロールしていける可能性もあります。また、最近は、進行がんに対してホルモン療法を行い、がんを小さくしてから放射線療法を行うケースも増えてきています。
前立腺がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどなく、痛みもありません。前立腺がんが進行して尿道を圧迫するようになると、排尿時あるいは射精時に痛みを感じる場合もあります。また、尿閉(尿が出なくなる状態)になると、尿が腎臓から膀胱へ流れず腎臓にたまるため、背中が痛くなることがあります。前立腺がんがさらに進行して体の表面のリンパ節に転移すると、その部分が腫れたり痛くなったりします。骨に転移すると臀部や腰の骨の痛みを伴うことがあります。
前立腺がんは、進行するとリンパ節や臀部、腰の骨によく転移します。もちろん体内のほかの部位にも転移します。骨に転移した場合には、骨痛があらわれることがあります。



