※本サイトに掲載している体験談は個々の患者さんのご経験をインタビューした
内容に基づき作成しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。
内容に基づき作成しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。
S様のがんとの向き合いに関する体験談
S様のがんとの向き合いに関する体験談

※患者さんの名前は仮名です。
肝がんヒストリー

S様
がんとの向き合い
日々の習慣や趣味を通じて、日常を取り戻していく実感
がんとの向き合い
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がん相談支援センター:セカンドオピニオンのように相談して不安を解消
治療中、先生か看護師さんから紹介を受けて、がん相談支援センターを利用しました。最初は妻が金銭面や生活上の相談で利用し始めたのですが、次第に私自身も治療に関する不安や疑問を相談するようになりました。
特に相談したのは、先生の治療方針に不安を感じたときでした。先生に言いくるめられたわけではないですけど、納得できつつも、やっぱり気持ちが収まらないみたいな部分が少なからずあったのです。「先生の治療、本当に合っているの?」のような、なかなか先生にはぶつけにくい相談をしました。
センターの担当者さんからは「たしかに、いまの治療以外にもやり方はあるけど、その方法が合っているか間違っているかは結果でしかわからない。ある程度の効果は出ているので、現在の治療方法が間違っているわけではない」と説明を受けました。また、先生が日常生活に戻りながら続けやすい治療を実現できるよう、私の要望をくみ取りながら治療方針を決めてくれていることも教えてもらいました。この相談を通じて、気持ちが収まると同時に先生への信頼が深まり、治療に対する不安も和らいでいきました。
特に相談したのは、先生の治療方針に不安を感じたときでした。先生に言いくるめられたわけではないですけど、納得できつつも、やっぱり気持ちが収まらないみたいな部分が少なからずあったのです。「先生の治療、本当に合っているの?」のような、なかなか先生にはぶつけにくい相談をしました。
センターの担当者さんからは「たしかに、いまの治療以外にもやり方はあるけど、その方法が合っているか間違っているかは結果でしかわからない。ある程度の効果は出ているので、現在の治療方法が間違っているわけではない」と説明を受けました。また、先生が日常生活に戻りながら続けやすい治療を実現できるよう、私の要望をくみ取りながら治療方針を決めてくれていることも教えてもらいました。この相談を通じて、気持ちが収まると同時に先生への信頼が深まり、治療に対する不安も和らいでいきました。

先生からの一言
医師 奥坂先生
今回のケースのように、がん相談支援センターなどの第三者に相談したり、意見を求めることは、ご自身の状況を客観視するために役立つことも少なくないと思います。それをきっかけに、ご自身の状況をしっかりと理解することで、治療に対してより前向きに取り組んでいける可能性が拡がっていくと思います。
大きな支えとなった家族の存在
治療中、妻と子の存在は私にとって大きな支えでした。特に妻の言葉は、気持ちを保つ助けになりました。一進一退で検査結果が芳しくないときも、「悪くなっていないんだし、頑張っていこう」と、思考がマイナス方向に行き過ぎないよう励ましてくれました。当時2歳だった息子の存在も「生きたい」という気持ちを強く持たせてくれました。
そんなことを繰り返しながら、「このまま終われない!」という気持ちがふつふつと湧いていったのだと思います。家族の存在があったからこそ、苦しい治療も乗り越えられたと感じています。
そんなことを繰り返しながら、「このまま終われない!」という気持ちがふつふつと湧いていったのだと思います。家族の存在があったからこそ、苦しい治療も乗り越えられたと感じています。
ご家族からの一言/S様の奥さま
夫の治療中から現在まで、夫の気持ちに寄り添いながらも、適度な距離感を保つことを心がけています。明るい雰囲気で「息子の幼稚園でこういうことがあったよ」といった話はするけど、病気に関して変に前向きな情報ばかり出さないようにしていました。「世の中には治った人がたくさんいるよ」とか、あんまり慰めにはならないのかなって。自分が大変な時に「どうにかなる」って言われても、実際にいろんな数値を見ているのは夫自身なので。
夫が不安や苦しみを口にした時なんかも「大丈夫、大丈夫」と安易な慰めの言葉をかけるのではなく、具体的な対応を一緒に考えることを心掛けていたかな。家族でのハグなど、言葉以外のコミュニケーションも大切にしました。
振り返ると、腫れ物に触るようにしすぎず、かといってすべてを引き受けすぎないよう、バランスを取るのに苦心したかもしれません。今でも定期検査の前後は緊張しますが、「その時になったら考えよう」と前向きな姿勢を保つよう心がけています。
夫が不安や苦しみを口にした時なんかも「大丈夫、大丈夫」と安易な慰めの言葉をかけるのではなく、具体的な対応を一緒に考えることを心掛けていたかな。家族でのハグなど、言葉以外のコミュニケーションも大切にしました。
振り返ると、腫れ物に触るようにしすぎず、かといってすべてを引き受けすぎないよう、バランスを取るのに苦心したかもしれません。今でも定期検査の前後は緊張しますが、「その時になったら考えよう」と前向きな姿勢を保つよう心がけています。
日々の習慣や趣味を通じて、日常を取り戻していく実感
私は今まで「何となく生きている」という感じで過ごしてきましたが、肝臓がんに罹患したことで、初めて強く「生きたい」と思いました。それまではいつも「明日がある」と思っていたのですが、がんに罹患して「明日がないかもしれない」となったとき、とても緊張しました。このままで終われない、より自分らしく生きていくことに能動的になったのだと思います。
生活にも具体的な変化がありました。特に大きな変化は、アルコールを完全に断ったことです。診断を受けた時点で「もう飲まない」と決めて、それ以来一滴も口にしていません。また、経過観察の期間が進むにつれて、学生時代から好きだったテニスも徐々に再開しました。体力の回復を感じながら、少しずつ“日常”を取り戻していく実感があります。
がんとの闘いは続いていますが、がんと共存しながら、自分らしい生活を送ることを心がけています。
生活にも具体的な変化がありました。特に大きな変化は、アルコールを完全に断ったことです。診断を受けた時点で「もう飲まない」と決めて、それ以来一滴も口にしていません。また、経過観察の期間が進むにつれて、学生時代から好きだったテニスも徐々に再開しました。体力の回復を感じながら、少しずつ“日常”を取り戻していく実感があります。
がんとの闘いは続いていますが、がんと共存しながら、自分らしい生活を送ることを心がけています。