薬物療法とは?
がんの三大療法として、「手術療法」、「薬物療法」、「放射線療法」の3種類があり、薬物療法はその一つです。薬物療法とは、お薬の力でがん細胞の増殖を抑えたり、がん細胞を死滅させたりする治療のことで、主に全身への投与に用いられますが、腫瘍の局所への投与に用いる場合もあります。薬物療法に使用されるお薬には、抗がん剤(化学療法)、分子標的薬、ホルモン剤、免疫に作用する薬剤などがあります。
薬物療法に関する体験談
※本サイトに掲載している体験談は個々の患者さんのご経験をインタビューした
内容に基づき作成しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。
内容に基づき作成しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。

TACEの効果が思わしくないことを受けて、分子標的薬による治療が提案されました。飲み薬なので日常生活を送りながら治療できると聞き、前向きな気持ちになりました。半年ほど頑張って続けました。この時期、病院にもよく行っていたので、その都度、妻に「悪くなってないけど、良くもなってない」といった状況を伝えていました。私自身は、とにかく先の見えない生活というところで前向きな気持ちにはなれず、重苦しい気持ちの日々でした。
腫瘍マーカーが減らなかったこと、吐き気が嫌だったこともあり、先生に治療を変えてほしいとお願いして検討を重ねた結果、「腫瘍の状況を踏まえて広い面積で治療する」という目的で放射線治療を受けることになりました。治療は予想以上に楽でした。最初の1週間ほど集中的に治療を受け、その後は間隔を空けながら継続したところ、だんだん腫瘍マーカーが下がっていったのです。その様子を見て、やっと治療の効果を実感し始めました。
ある日、先生から「腫瘍らしきものが見えず、腫瘍マーカーも減っています。再発しないということではないですが、いったん治療としてはひとつのゴールを迎えた状況。今日はひとまず、喜んでいいですよ」と言われました。もう、諸手を挙げたいくらいの気分でした。ただ、見えない恐怖からひとまず解放されたけれど、完全に元通りではない。再発の可能性も言われていたので、家族のことも考えて、浮かれすぎず、落ち着いて生きていこうと思ったことを覚えています。
腫瘍マーカーが減らなかったこと、吐き気が嫌だったこともあり、先生に治療を変えてほしいとお願いして検討を重ねた結果、「腫瘍の状況を踏まえて広い面積で治療する」という目的で放射線治療を受けることになりました。治療は予想以上に楽でした。最初の1週間ほど集中的に治療を受け、その後は間隔を空けながら継続したところ、だんだん腫瘍マーカーが下がっていったのです。その様子を見て、やっと治療の効果を実感し始めました。
ある日、先生から「腫瘍らしきものが見えず、腫瘍マーカーも減っています。再発しないということではないですが、いったん治療としてはひとつのゴールを迎えた状況。今日はひとまず、喜んでいいですよ」と言われました。もう、諸手を挙げたいくらいの気分でした。ただ、見えない恐怖からひとまず解放されたけれど、完全に元通りではない。再発の可能性も言われていたので、家族のことも考えて、浮かれすぎず、落ち着いて生きていこうと思ったことを覚えています。
※患者さんの名前は仮名です。
主治医からの勧めで治験に参加
手術後、主治医から治験への参加を勧められました。
治験に参加したことで、術後も週1回のペースで通院し、治験部門のスタッフの方々とお会いして、いろいろお話しました。治験コーディネーターの看護師さんには、自分の気持ちも素直に話せましたし、冗談を言い合ったりもしました。主治医のほかに治験担当の医師と看護師さんが自分のことをみてくれているのは、とても心強かったです。
※患者さんの名前は仮名です。
副作用への対処については、ご自身で判断せず、必ず医師や薬剤師・看護師等にご相談ください。
再発と同時に、肺にも転移があることがわかり、TAEの退院後、抗がん剤治療も開始しました。医師からは副作用が強い場合は中止するように言われていましたが、「転移に対する治療はこの薬しかない」「とにかく治療を頑張らなくては」という思いで、副作用が出ても抗がん剤治療を続けていました。副作用が続いたため受診したところ、すぐに休薬となり、次の治療(HAIC)に向けてそのまま入院となりました。
翌年の春からは、別の抗がん剤治療に変更し開始しました。2年近く続けましたが、腹膜炎を発症し、それを機に終了となりました。抗がん剤をやめることで「再発したらどうしよう」という怖さはありましたが、幸いその後は再発なく経過しています。
※患者さんの名前は仮名です。
わかっていても、やはり再発はショックだった
※患者さんの名前は仮名です。
副作用への対処については、ご自身で判断せず、必ず医師や薬剤師・看護師等にご相談ください。
副作用と向き合いながらの抗がん剤治療
※患者さんの名前は仮名です。
副作用への対処については、ご自身で判断せず、必ず医師や薬剤師・看護師等にご相談ください。
TACEの3ヶ月後に、こんどは小さい腫瘍が7つみつかりました。TACEを受ける際に、治療後も再発する可能性があることは聞いてはいましたが、同時期に母が他界したこともあり、このときは精神的に一番落ち込みました。腫瘍の数が多いからか、TACEではなく抗がん剤で治療することになりました。このとき先生に余命について尋ねたところ、「1年半くらい」と言われてしまったことや、抗がん剤に対してあまり良くないイメージを持っていたこともあり、ショックが大きかったです。
抗がん剤の治療を始めてみると、想像していたよりも副作用が少なく、仕事への影響も殆どありませんでした。嬉しいことに治療効果もあって、がんが縮小しました。多少の副作用はありますが、それぞれに対策を講じていただき、ごく普通に生活できています。仕事や生活との両立が叶うこの治療をずっと続けられることを願っています。
抗がん剤の治療を始めてみると、想像していたよりも副作用が少なく、仕事への影響も殆どありませんでした。嬉しいことに治療効果もあって、がんが縮小しました。多少の副作用はありますが、それぞれに対策を講じていただき、ごく普通に生活できています。仕事や生活との両立が叶うこの治療をずっと続けられることを願っています。

※患者さんの名前は仮名です。
副作用への対処については、ご自身で判断せず、必ず医師や薬剤師・看護師等にご相談ください。
TACE治療後、主治医から肝臓がんは再発しやすいがんなので、定期的に受診してくださいと言われ、2~3ヶ月に1度のペースで経過観察をしていました。1年半後に再発が見つかりました。小さい腫瘍でしたが複数あり、手術での治療が難しいとの判断で、抗がん剤治療を提案されました。主治医に選択肢として提案された複数の抗がん剤について、それぞれの効果や副作用について納得のいくまで質問しました。仕事では転職を機に管理職に就いており、仕事を休まず治療ができる観点からも、提案された抗がん剤の1つを選択し治療を始めました。
抗がん剤の治療開始から1~2週間経過した頃、副作用が出現したため、薬剤師さんに連絡したところ、すぐに診察予約を入れていただき先生と相談したうえで休薬や減量を試みましたが、別の抗がん剤治療に変更することになりました。
※患者さんの名前は仮名です。
治療と仕事の両立により日常生活が戻ってきた
※患者さんの名前は仮名です。
抗がん剤に対する不安を解消するために主治医に詳細を確認
再発を繰り返す中で、主治医から抗がん剤治療をする時期がいずれ訪れることは聞いていました。4回目の再発でRFAを行った2ヶ月後に抗がん剤治療を開始することになり、抗がん剤に対する不安を解消するために、主治医からこの薬でどのような副作用が起こるのか、経験されている症例について教えてもらいました。治療が始まってみると、私の場合は想像していたほどの副作用はなく、主治医から聞いていた範囲内で、日常生活への支障はありませんでした。
抗がん剤治療を半年ほど続けた頃、リンパ節転移がわかったため、少しの間休薬して別の病院にマイクロ波凝固壊死療法(MCN)を受けに行き、元の病院に戻り抗がん剤治療を再開しましたが、その後も腹膜播種、再度のリンパ節転移などがあり、かなり落ち込みました。ときどき休薬などしながら抗がん剤治療を続けました。
その後、別の抗がん剤による治療が始まりました。がんも縮小し、腹膜播種も見えなくなり、とても嬉しく思います。治療を始めて1年半ほどになりますが、順調に体調を保てています。
抗がん剤治療を半年ほど続けた頃、リンパ節転移がわかったため、少しの間休薬して別の病院にマイクロ波凝固壊死療法(MCN)を受けに行き、元の病院に戻り抗がん剤治療を再開しましたが、その後も腹膜播種、再度のリンパ節転移などがあり、かなり落ち込みました。ときどき休薬などしながら抗がん剤治療を続けました。
その後、別の抗がん剤による治療が始まりました。がんも縮小し、腹膜播種も見えなくなり、とても嬉しく思います。治療を始めて1年半ほどになりますが、順調に体調を保てています。
※患者さんの名前は仮名です。
副作用への対処については、ご自身で判断せず、必ず医師や薬剤師・看護師等にご相談ください。
抗がん剤の副作用は我慢せず主治医に申し出た
最初に経験した抗がん剤は、腹膜内悪性腫瘍の術後補助化学療法です。効果や副作用について先生とも良く話し合い、身体への負担が少ないものを選択しましたので、副作用は殆どありませんでした。リンパ節が肥大したので抗がん剤を変更したところ、副作用が出たため先生に「薬を変えたい」と自分から申し出ました。次に、別の抗がん剤治療を行いました。こちらはあまり副作用もなく、肝臓の腫瘍も少し小さくなったのでそのまま入院を続け開腹手術で肝臓を一部切除しました。術後も抗がん剤治療を続けていましたが、胸膜胸壁に5つ転移がみつかり、4つ目の抗がん剤治療に変更しました。副作用の影響で今は5つ目の抗がん剤治療を続けているところです。
※患者さんの名前は仮名です。
先生からの一言
肝胆膵内科長 奥坂 拓志 先生