抗がん剤治療(化学療法)の副作用とその対策は?1)
骨髄抑制(赤血球減少・白血球減少・血小板減少)
抗がん剤は、血液をつくる骨髄のはたらきに影響を与え、赤血球・白血球・血小板が減少することがあります。これは治療を安全に続けるために、特に注意が必要な副作用です。定期的な血液検査で数値を確認しながら治療を進めます。症状が強い場合は、お薬の量を調整したり、治療を休止あるいは中止したりすることがあります。
吐き気・嘔吐
吐き気の副作用が現れやすい抗がん剤を使用するときには、症状が現れる前からお薬(制吐剤)を使うことがあります。吐き気が続いて食事や水分がほとんどとれないときは、病院で点滴をして水分や栄養を補う治療を行うこともあります。
下痢・便秘
下痢の症状があるときは、整腸剤や下痢止めの薬が必要に応じて処方されます。以下のような場合はすぐに対処が必要な症状である可能性があるので、早めに病院に連絡してください。
- 脱水症状(めまい、ふらつき、尿の量が少ないなど)がある
- 1日4~6回以上のひどい下痢がある
- 下痢が3~4日以上続く
- 便に血が混じっている、お腹の痛みが強い
また、便秘が長く続いてお腹が張って苦しいときも、我慢せず病院を受診しましょう。
末梢神経障害(手足のしびれ)
しびれを防いだり治療する方法は確立されていませんが、患部の血行を良くしたり、逆に冷やしたりすることで改善することもあります。気になる場合は、担当医や看護師に相談してください。しびれの程度に合わせて、抗がん剤の量の調整(減量や休薬)や、しびれを和らげるためのお薬を処方してもらえる場合があります2)。
味覚変化・嗅覚変化
抗がん剤によって味覚や嗅覚に影響が出ることがあります。亜鉛の吸収が妨げられて味がわかりにくくなることもあるので、その場合はお薬やサプリメントなどで亜鉛を補います。また、においの感じ方が変わる(感じにくい、または敏感になる)ことがありますが、これは治療によって鼻の細胞がダメージを受けるためです。においの強いものを避けるなど、生活の中で工夫をしながら、自然に回復するのを待ちましょう3)。
改善が見られない場合は医師に相談してみるとよいでしょう。
図:抗がん剤の主な副作用と時期の目安4)
胃がんの抗がん剤治療における感染予防とは?1)
抗がん剤の影響で、血液をつくる骨髄の働きが低下し、白血球(特に好中球)が減ることがあります。細菌やウイルスに対する抵抗力が弱くなるため、以下の感染予防を心がけましょう。
- 手洗い・うがいを忘れずに行いましょう。
- 外出時はマスクを着用し、混雑している場所や混雑している時間帯の外出を控えましょう。
- 毎日シャワーや入浴をして、清潔な下着や衣服に着替えましょう。
- 生ものを避け、しっかり加熱された食事をとりましょう。
- ペットや生花に触れないようにしましょう。
- 感染の兆候をいち早く見つけるため、毎日体温を測りましょう。
抗がん剤治療の副作用で特に気をつけるべき症状とは?
副作用の中には、命にかかわるような緊急性の高いものもあります。また、早期に対処することで重症化を防ぐことになります。治療を始める前とは明らかに違う体調の変化や、以下のリストにあるような症状が現れた場合は、ためらわずに受診しましょう。
表:こんなときはすぐ連絡 ! 症状チェックリスト4,5)
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【白血球が減少する治療を受けている場合】
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【全身に現れる症状】
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【口・のど・呼吸の状態】
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【胃腸の状態】
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【腎臓の状態】
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【皮膚の状態】
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【その他】
胃がんの抗がん剤治療で副作用と付き合うための食事・生活の工夫とは?
副作用の出方には個人差があります。対処方法を知っておくことで、冷静に受け止め、適切に対応することができます。
表:副作用の症状と生活・食事の工夫
- <参考文献>
- 国立がん研究センター がん対策研究所 編:国立がん研究センターのがんになったら手にとるガイド, 小学館クリエイティブ, 2026, p91-93,97,103,109,112,116
- 国立がん研究センター がん情報サービス 「しびれ~がんの治療を始める人に、始めた人に~」https://ganjoho.jp/public/support/condition/peripheral_neuropathy/index.html(2026年6月時点)
- 国立がん研究センター がん情報サービス 「味覚やにおいの変化 ~がんの治療を始める人に、始めた人に~」https://ganjoho.jp/public/support/condition/taste_or_smell/ld01.html(2026年6月時点)
- 国立がん研究センター がん情報サービス 「薬物療法 もっと詳しく」https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy/dt02.html(2026年6月時点)
- 国立がん研究センター がん情報サービス 「免疫療法 もっと詳しく」https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu02.html(2026年6月時点)
- 日本がん看護学会 監修:がん治療と食事 治療中の食べるよろこびを支える援助, 医学書院, 2015, p24-29
- アストラゼネカ がんになっても「がん治療の副作用対策とセルフケア:倦怠感(だるさ)」https://www.az-oncology.jp/cancer_treatment/side_effect/side_effect07(2026年6月時点)