胃がん治療の退院直後、家族はどう見守るとよい?
退院してすぐの時期は、体調が安定しないこともあります。少しでも安心して生活できるよう、以下のような点に注意して見守ってあげましょう。
転倒に気を付ける
胃がんの手術を受けたあとは、出血や胃の吸収力の低下から、貧血になることがあります。貧血は、動悸や息切れ、めまい、ふらつきなどを引き起こしやすく、転倒のリスクが高まります。
また、放射線治療や薬物治療による影響で血小板が減っている場合、転倒するとあざができやすかったり、出血が止まりにくかったりもします1)。
特に、ベッドから起き上がるときや椅子から立ち上がるときは転倒しやすいので、そばで見守ると安心です。貧血だけでなく、急な息苦しさや倦怠感など、体調の変化にも気付けるようにしましょう。
薬を一緒に管理する
退院後、多くの方は外来に通院しながら治療を続けます。薬の飲み間違いや飲み忘れを防ぐため、ご家族が声をかけたり一緒に確認したりするとよいでしょう。
薬の副作用が出たときの対処法についても、一緒に説明を受けておくとより安心です。
生活リズムを整える
規則正しい生活は、心身の回復を支える大切な要素です。
がんの治療中は、不安やストレスから眠れない日が続くこともあります。朝起きたら日光を浴びるよう声をかけたり、夜は寝室の照明を落としてスムーズに眠れる環境を整えたりと、優しくサポートしてあげましょう。
また、食事は体力維持に欠かせませんが、治療の副作用や体調によって食べることが難しい日もあります。そんなときは、担当の医師や管理栄養士などに相談することをおすすめします。
胃がん闘病中の自宅療養環境は、どう整えるとよい?
退院後は自宅で療養することになります。ご本人が安心して安全に過ごせるよう、環境を整えておくことが大切です。
安全な動線を確保して転倒を防ぐ
転倒のリスクを減らすため、まずは家の中を見直しましょう。段差や滑りやすい場所がないかを確認し、安全な動線を確保してください。夜間に移動する場所には、足もとが見えやすいように照明なども工夫しましょう。
また、ご本人のベッド周りはできるだけ整頓し、よく使う物は手の届くところに置いておくと負担を減らせます。
家事を担当して負担を減らす
体調が整うまでは、掃除・洗濯・買い物などの家事を積極的にサポートしましょう。
長期にわたる治療では、ご家族が家事と介護の両立に疲れを感じる場面が出てくるかもしれません。そのようなときは、外部のサポートを検討することも大切です。
全国のがん相談支援センターでは、がんに関する相談全般を受け付けています。つらいときは一人で抱え込まず、まずは相談してみましょう。
がん情報サービス「がん相談支援センター」とは (外部サイト)
https://ganjoho.jp/public/institution/consultation/cisc/cisc.html(2026年6月時点)
外出や入浴は体調に合わせて再開する
外出や入浴は、焦らず体調を見て、担当医とよく相談したうえで再開しましょう。「今日は少し疲れている」「短時間なら大丈夫」など、ご本人の感覚を尊重することも大切です。
少しずつ活動の範囲を広げられるように、そばで見守りながら支えてあげてください。
[ご家族、まわりの方へ]退院後の不安な気持ちを軽くするには?
がんの治療や療養は、長く続きます。ご本人の不安な気持ちを楽にしてあげることは、身体のサポートと同じくらい大切です。
受診に付き添い、医師への質問を手伝う
通院や医師からの説明がある際は、ご家族もできるだけ付き添いましょう。ご本人がうまく説明できない場合もあるため、事前に聞きたいことを整理しておくとよいでしょう。
不安や落ち込みに寄り添う
ご本人が感じる不安やつらさは、そのまま受け止めて寄り添うことで心が軽くなる場合があります。
良くなって欲しいという思いから、ご本人の希望を聞かずに無理にすすめると、かえって負担になることもあるでしょう。ご本人の意志を尊重することが療養を続ける力になるはずです。
回復を焦らず本人のペースを大切にする
退院したあと、「早く元通りになって欲しい」と焦ってしまうことがあるかもしれません。しかし、回復には時間が必要です。
できることが少しずつ増えていくと信じて、ご本人のペースに合わせて見守りましょう。
- <参考文献>
- 国立がん研究センター がん情報サービス「貧血」
https://ganjoho.jp/public/support/condition/anemia/index.html (2026年6月時点)