胃がん手術後の定期検査では何をする?
定期検査は、再発や手術で取り切れなかった胃がん(残胃がん)や、別のがんの発見を目的に実施します。日本胃癌学会による「胃癌治療ガイドライン」では、胃がんの再発や別のがんなどを発見するためには、CT検査や腫瘍マーカー、内視鏡検査が勧められています1)。
再発を確認するための主な診察・検査項目
一般的には、以下のことが行われます。
患者さんの病状により、別の検査が加わることがあります1)。
- 医師の診察:
体の状態、臨床症状(痛みや違和感の有無など)、体重測定など - 血液検査:
血球・肝臓や腎臓の機能・腫瘍マーカー・栄養指標・電解質の評価など - 画像検査(CT や超音波):
再発の有無などを確認 - 胃内視鏡検査:
再発の有無などを確認 - その他:
胸部 X 線など
手術後の再発リスクが相対的に低い早期の胃がんであれば、定期検査の頻度を少なくすることも検討されます。一方で、リンパ節転移がある・がんが進行している・術後合併症を伴う患者さんでは、より丁寧なフォローアップが必要です。このような病状に加えて、患者さんそれぞれの学業・仕事・生活スタイルも考慮して、フォローアップのスケジュールが決められます。
なお、「胃癌治療ガイドライン」ではフォローアップの参考スケジュールが示されています1)。
ステージⅠの場合(R0切除後の場合)1)
- * 必要時に施行:胸部X線、残胃造影、大腸造影、大腸内視鏡、骨シンチ、PET-CT
- * 5年以降は施設や検査間隔は個別に判断する。
ステージⅡ-Ⅲの場合(R0 切除後の場合)1)
- * 必要時に施行:胸部X線、残胃造影、大腸造影、大腸内視鏡、骨シンチ、PET-CT
- * 5年以降は施設や検査間隔は個別に判断する。
- PS:パフォーマンスステータス。患者さんの活動レベルを評価する指標
- CEA、CA19-9:いずれも胃がんの腫瘍マーカー(上昇すると再発を疑う)
- US:超音波画像 R0 切除:手術にて腫瘍を取り切ること
胃がんのフォローアップはどれくらいの期間行う?1)
手術後5年間のフォローアップが原則とされています。ただし、5年を超えても再発する可能性があるので、健診や人間ドックなどの結果で気になることが出てきたら、胃がんでかかっていた医療機関に行きましょう。また、胃がん以外の病気で医療機関を受診したときには、医師に胃がんのことを伝えましょう。
手術後の体調管理(栄養・運動・合併症対策)はどうする?
手術後のスムーズな回復を促し、少しでも早く自分らしい生活に戻るためにも、前向きに体調管理に取り組んでいきましょう。
食事や栄養に気を付ける
胃の一部または全部を切除している場合、食べ物を貯めたり消化・吸収したりする能力が低下するため、以前と同じように食べることはできなくなります2)。体が手術後の胃の状態に慣れる、手術後1年くらいまでの間は、食事や栄養に気をつける必要があります3)。
体重は家庭でも手軽にチェックできるので、体重を記録し、急に減るようなら、医師に相談しましょう2)。
工夫をすれば、食べる楽しみを取り戻しながら、手術後の胃の状態に応じた食べ方を身に付けられます。ポイントは以下にまとめています(個人差があります)。
手術後の回復と食事 手術後の食事はどう変わる?再開と食べ方のコツ
なお、胃の切除で胃のどの部分が残されるか(どの部分が切除されるか)によっても、栄養の重要性が変わります。詳しくは医師や栄養士にご相談ください。
適度な運動・身体活動をする2)
適度な運動は、体調を整える意味でも重要とされています。ただし、やり過ぎは禁物です。生活の中(掃除、買い物など)で体を動かすようにすると、一石二鳥です。
特に腹部へ負荷がかかること(例:重いものを持つ)、体力を必要とする仕事は、手術後3ヵ月以降から徐々に慣らしていきましょう。
禁煙をしましょう
全ての胃がん患者さんに、禁煙が推奨されます4)。
- <参考文献>
- 日本胃癌学会 編: 胃癌治療ガイドライン 医師用 第7版, 金原出版, 2025, p45-54
- 胃外科・術後障害研究会 「胃を切った後の食事と生活」https://www.jsgp.jp/pdf/citizen/support_eiyou.pdf (2026年6月時点)
- 日本臨床外科学会 胃癌と診断されたら... 「14-1.食事と栄養療法1―胃切除後の食事のとり方―」https://www.ringe.jp/civic/20200302/p14_1(2026年6月時点)
- Ajani JA, et al. J Natl Compr Canc Netw. 2025, 23(5). 169-191.