家族と本人が同じ方向を見て胃がん治療に取り組むには?
胃がんの治療を進めるにあたり、ご本人とご家族が、治療の目的や流れを理解しておくことはとても大切です。
担当医から病状や治療方針についての説明がある際は、できるだけご家族も一緒に聞くことをおすすめします。聞き漏らしや誤解を防ぐことができるだけでなく、治療の全体像や、これから患者さんの体に何が起こるのか、生活がどう変化するのかを理解しやすくなります。疑問に思ったことは、遠慮せずその場で確認しましょう。
ご家族は説明の内容をメモに取り、あとで振り返るときの情報整理を手伝ってみてください。
胃がん治療中の生活を整えるためにできることとは?
胃がん治療が始まると、これまでの生活スタイルに変化が生じます。治療をスムーズに進めるには、この変化に備えて、ご家族で協力し合う体制を整えておくことが大切です。
生活の変化を見据えて準備する
胃を切除したあとの食事は、消化しやすい食材を選んだり、少量ずつ回数を分けて食べたりといった工夫が必要になります。また、抗がん剤治療(化学療法)中は吐き気や嘔吐などの副作用で、体調が優れないこともあります。
ご本人が治療に集中できるよう、ご家族の間であらかじめ家事や仕事を調整しておくと安心です。
公的制度を活用して負担を減らす1)
公的制度を活用すると、胃がん治療による経済的な負担を軽くできます。
詳しくは 支援・相談 胃がん治療中のお金のこと、生活のこと、どうすればいい?にまとめておりますので、よければ参考にしてください。
また、これらの制度の手続き方法は、
がん相談支援センター(https://ganjoho.jp/public/institution/consultation/cisc/cisc.html(2026年6月時点))や病院のソーシャルワーカーに問い合わせてみてください。一人で抱え込まず、専門家に頼って確認していきましょう。
[ご家族、まわりの方へ]胃がんの治療中、家族はどう寄り添うとよい?
胃がん治療を受けるご本人をサポートするためには、治療による心と体の変化をあらかじめ理解したうえで寄り添い、ありのまま受け止める姿勢が大切です。
心と体の変化を知っておく2)
胃がんの治療、特に抗がん剤治療が始まると、さまざまな副作用が現れることがあります。
また、体だけでなく、心にも変化が表れることがあります。不安や落ち込み、イライラなど、今までにはなかった感情の揺れを感じる方も多いようです。ご家族は、ご本人がこのような状態になっても、それは治療の影響であることを知っておきましょう。
これから起こる変化を知っておくと、いざというときにサポートしやすくなります。
気持ちをそのまま受け止める
ご本人にとって支えになるのは、ご家族の寄り添う姿勢です。多くの方は、極端に気を使われることや、無理に何かアドバイスしてもらうことを望んでいるわけではありません。
つらさを訴えられたときには、まず「つらいんだね」「しんどいよね」と、気持ちを否定せずにそのまま聞く姿勢を大切にしましょう。話を聞いてもらうだけでも、心は癒されるものです。
また、「頑張ってね」と励ますよりも「よく頑張っているね」と、これまでの頑張りを認め、ねぎらいの言葉をかけるようにしてください。
ご本人が話したくないときは、無理に聞き出そうとせず、そっと見守ることも一つのサポートの形です。
[ご家族、まわりの方へ]胃がん治療を支える家族の心と生活はどう守る?
胃がん治療では、ご本人はもちろん、そばで支えるご家族も、知らず知らずのうちに大きな疲れや不安を抱えやすいものです。
ご家族が笑顔でいること、健康でいることは、胃がん治療をしているご本人にとっても安心につながります。
ご家族も休息をしっかりと確保し、ときにはサポートから離れて自分の時間を持つことを大切にしましょう。
- <参考文献>
- 国立がん研究センター がん情報サービス編集委員会 編:家族ががんになったとき 第4版, 国立がん研究センター がん対策研究所 がん情報提供部, 2023, p16
- 国立がん研究センター がん情報サービス「がんと心」https://ganjoho.jp/public/support/mental_care/mc01.html(2026年6月時点)