胃がんの手術はどのように進む?1,2)
手術の流れは、治療の目的(根治・症状緩和)や医療機関によって異なります。ここでは、一般的な胃がんの外科的手術の流れをご紹介します。
入院し、手術前は検査と準備を行う
通常、手術の前々日~前日には入院し、医師や看護師から入院生活の過ごし方、手術の内容、手術後の生活について説明を受けます。
また、必要に応じて手術前の検査も行われます。
手術当日は安静に過ごす
当日は、手術中や手術後を安全に過ごすために、胃や尿道にカテーテル(管)を入れたり、点滴をしたりします。医師からは手術や麻酔についての説明があるでしょう。手術後は、回復室などに移動し、医療スタッフが全身状態を慎重に観察します。特に問題がなければ元の病室に戻り、ベッドの上で安静に過ごします。強い痛みを感じたり、何か気になることがあったりするときは、ナースコールを押して看護師に相談しましょう。
手術後は少しずつ体を動かす
手術後は、早期の回復を目指して少しずつ体を動かす練習を始めます。翌日には、痛みを和らげながらベッドから起き上がり、歩いてみましょう。飲食も少しずつ再開し、水分から始めて段階的に食事量を増やしていきます。経過が順調であれば、1~2週間ほどで退院となります。
胃がん治療で行われるおもな手術の種類とは?3)
胃がん治療の手術には、「内視鏡治療」「腹腔鏡下手術」「ロボット支援手術」「開腹手術」などがあります。どの治療法が適しているかは、がんの進行度や場所、全身状態を踏まえて判断されます。
ここでは、それぞれの特徴や身体への負担、回復期間などをご紹介します。
内視鏡治療は身体への負担が少ない
内視鏡治療は、口から内視鏡を入れて胃の粘膜にあるがんを切除する方法です。お腹を切らないため、身体への負担が比較的少なく、入院期間や回復期間が短いことが大きな特徴です。
ただし、適用となるのは「早期胃がん」の中でも、リンパ節転移の可能性が低いなどの条件を満たす場合に限られます。
腹腔鏡下手術は傷が小さく回復が早い
腹腔鏡下手術は、お腹の複数箇所に小さな穴を開けて行う手術です。小さな穴から専用のカメラや手術器具を差し込み、モニターで画像を確認しながら胃を切除します。手術内容は開腹手術と同じですが、腹腔鏡下手術のほうが、傷が小さく痛みが少ない、回復が早いといったメリットがあります。
図:腹腔鏡下手術とロボット支援手術3)
患者さんのための胃がん治療ガイドライン 2026 年版, p36-37 より作図
2026 年版, p36-37 より作図
ロボット支援手術は精密な操作ができる
ロボット支援手術は腹腔鏡下手術がより進化した方法で、医師が操作席からロボットアームを遠隔操作して行います。
ロボットは関節による細かな動きが可能で、手の震えを自動で制御する機能もあり、より精密で正確な操作が可能です。そのため、手術後の合併症リスクを減らすことも期待できます。
開腹手術は進行がんで選ばれやすい
開腹手術は、お腹を切り開いて直接胃を切除する方法です。
ほかの手術より身体への負担は大きくなりますが、最も歴史の長い手術方法でもあります。医師が直接手で触れて状態を確認できるため、進行がんや、がんが周りの臓器にまで広がっている疑いがあるときなどに選ばれます。
- <参考文献>
- 日本胃癌学会 編: 胃癌治療ガイドライン 医師用 第7版, 金原出版, 2025, p44
- 佐野 武 監修:胃がん「手術後」の不安をなくす新しい生活術, 主婦と生活社, 2023, p25-26
- 日本胃癌学会 編: 患者さんのための胃がん治療ガイドライン 2026年版, 金原出版, 2026, p21-22,35-37,57,68-69