胃がんの開腹手術・腹腔鏡手術後の食べ方のコツは?
手術後は胃の機能が失われた状態なので、食事の内容・食べ方には注意が必要です。
「よくかんでゆっくり食べること」「少しずつの量を、複数回に分けて」が基本ですが、手術後の期間に応じて、以下のようなことに気をつけましょう。
手術後 3ヵ月まで1, 2)
何を食べるか
スーパーで食材を選ぶなら、卵、豆腐、白身魚、脂肪分の少ない肉など、消化によいものを選びましょう。
コンビニでは、やわらかく煮込んだ根菜の惣菜や、魚の煮付けなどを選ぶとよいでしょう。また、魚介類のフレークやしぐれ煮のように、魚や肉を使った加工食品も、手軽にたんぱく質をとれる一品として活用できます。
いつ・どのように食べるか
一度にたくさん食べて腸に負担をかけないように、朝昼晩の3食に加え、間食2~3回の1日5~6食を基本とします。ご飯やパンなどの主食、肉や魚などの主菜、野菜の副菜を組み合わせて食べられれば理想的です。ただし、食欲がわかないときは、栄養バランスよりも「食べられるもの」を優先してかまいません。食事の量があまりとれないときは、体をつくるたんぱく質が豊富な肉や魚のおかずを意識して選ぶとよいでしょう。
食べたものが食道に逆流しないようにするには、食後すぐに横になるのを避けることが大切です。食事が終わったら30分くらいは、座った姿勢で過ごしましょう。また、胃を切除すると食べ物が腸へ一気に流れ込みやすくなるため、食事をしながら水分をたくさんとることは控えましょう。
どう調理するか
調理するときは、食材を細かくしたり、じっくり煮てやわらかくしたり、蒸し料理を選んだりすることで、胃への負担を減らせます。一方、炒め物や揚げ物は油をたくさん使うため、食べる量には注意が必要です。
困ったときは
まずは担当医に食事のことで困っていることを伝え、栄養指導の予約をとってもらうようにしましょう。
手術後 3ヵ月以降1, 3)
手術から3ヵ月ほど経つと、1回の食事の量が増え、食事の回数も安定していきます。この頃からは、揚げ物や嗜好品も少しずつ取り入れられるでしょう。ただし、手術後1年くらいまでは、どう調理するか、何回に分けて食べるか、どんな食材を選ぶかといった点には、引き続き注意を払うことが大切です。
胃がん内視鏡手術後の食べ方のコツは?4)
内視鏡手術の場合は、特別な食べ方の工夫は必要ありません。胃の働きが保たれているため、手術前と変わらない食事内容で過ごせるでしょう。体力の回復も比較的早いとされているため、退院後2~3週間ほどでいつもの生活リズムに戻れる方もいます。
- <参考文献>
- 日本臨床外科学会 胃癌と診断されたら 「(14-1)食事と栄養療法1 ―胃切除後の食事のとり方―」
https://www.ringe.jp/civic/20200302/p14_1(2026年6月時点) - 胃外科・術後障害研究会 編:「胃癌術後評価を考える」ワーキンググループ PGS対応システム構築プロジェクト:胃を切った方の快適な食事と生活のために, 2013, p10-14
- 佐野 武 監修:胃がん「手術後」の不安をなくす新しい生活術, 主婦と生活社, 2023, p74
- 国立がん研究センター がん情報サービス 「胃がん 療養」
https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/follow_up.html(2026年6月時点)