すい臓がんの体験談

悩みや不安を抱えたときにどのようにがんと向きあえばよいのか。
自分らしくがんと向きあう患者さんやご家族の体験談・メッセージなどをご紹介します。

みなさまの
体験談
家族
  • がんの治療を終了

すい臓がん 66歳 女性 主婦

4月終わりごろから夫が背中や腰の痛みを訴えるようになり、接骨院でのマッサージを毎日受けていました。「だいぶ楽になった?」と聞くと「それなりかな?」と返答する夫でしたが、同年6月中旬には鎮痛効果のある湿布を購入したり、胃腸薬を服用し、食欲不振が目立つようになりました。受診をすすめましたが、「大丈夫」と行きません。しかし、つらくなったのだと思います。7月中旬に総合内科を受診し、CT検査の結果、すい臓がんステージWと診断。手術は不可。選択肢は抗がん剤治療しかなく、第1回目のみ入院し実施しました。9月発熱で入院。10月嘔吐で入院。11月からCVポートにて栄養管理。初めて少し体力がついた感じ。それまで1日の食事は100キロカロリー程度と痩せて、痛みに耐え元気のなくなる夫でした。妻の私は、気丈にふるまっていた夫を十分にいたわったり、優しい言葉をかけることができませんでした。50日間の在宅を最後に、翌年初めから入院し、1カ月あまりの闘病生活でした。肺炎でぐったりしていた夫でしたが復活してくれたので、大丈夫と思っていた矢先、2週間で逝きました。そのころから、夫は「俺の命は週単位だぞ」と言い始めたにもかかわらず、寄り添えず、後悔ばかりです。 家族の後悔が少しでも少なく、夫をやさしく看取れる。そんな介護方法を学びたかったと思います。

勇気づけられた言葉、場面

入院し、すでに治療の選択肢がなくなった時、医師から「これからいろんな病状がでてきますが、ひとつずつ、ひとつずつ対応していきましょう」と言われました。夫は「今日の先生の説明には愛情があったな。いつも数値ばかりの説明だから」と。先はないのに、こんな風に思う夫がいとおしいですね。