わたしらしい
がん治療ノート

自分の価値観を見つけ、治療とともに人生の目標を考える。

自分に最適な「わたしらしいがん治療」は、あなたと家族を含めた医療従事者とのチームでつくり上げていくものです。それを実現するには、あなたががん治療に求めることを、チームメイトである医療従事者に明確に伝えることが大切です。できる治療はなんでも挑戦したい、こんな副作用の可能性がある治療は避けたい、できるだけ入院せずに外来で治療をしたい、3か月後の娘の結婚式に元気な姿で出席したいといった生活上での希望もあるかもしれません。あなたの希望がわかれば、チームメイトはどうにかしてそれを叶えようと知恵を絞ります。

とはいえ、自分ががん治療に何を求めるべきかわからない場合もあるでしょう。そんなときは、まず自分の価値観や生活環境などを整理することから始めてみてください。そうすることで、がん治療とともに歩む人生の目標が見えてくるかもしれません。

ここに、その手助けとなるノートをご用意しました。自分の性格、生活環境、周囲にいる人たちなどについて考え、実際に書き込んでみてください。自分の価値観や考えを整理し、がん治療に望むことと、仕事とのつきあい方や毎日をどう過ごしていきたいかを見出すきっかけを手にするために、このノートをぜひご活用ください。

また、がんの治療をおこない、日常生活をすごしていくなかで、自分の考えや価値観が変わっていくかもしれません。以前の自分とは価値観や考えが変わったと感じることがあれば、定期的にこのノートで整理することで、自分のことを見つめなおしてみましょう。
また、ご自身の治療の記録を習慣づけ、時に見返すことで、体調や副作用の出方、生活のリズムに気づくこともあるでしょう。家族のイベントや旅行のプランニングにも役立ててください。

  • PDFをダウンロードして書き込めるシートとなっています。
  • 開いた先でPDFがダウンロードできます。

自分を知る

「わたしらしいがん治療」を決めるうえでもっとも重要なのは、自分の価値観。
自分がどんな性格なのか、今までどんな人生を歩んできたのか、今大事にしていることは何か、そしてこれから何を大事にしていきたいか。こういった価値観が、「わたしらしいがん治療」を決定する鍵になります。あらためてあなたの価値観を見つけ出してください。

自分を支えてくれるものを見つける

がん治療では、いろいろな不安や孤独を感じることもあるでしょう。いざというときのために自分の心の支えを見つけておくことはとても大切です。不安な気持ちを相談できる人や、生活やお金のことについてアドバイスをもらえる場所など、あなたを支えてくれる人や制度はたくさんあります。これらをあらかじめリストアップしておきましょう。

周りに伝える

治療を始めたり、入院するにあたり、普段の生活や仕事を続ける上で今まで通りできることやできないこと、手伝ってもらえばできることなどが出てきます。まずは書き出すことで、自分の希望や気持ちを整理をしてみましょう。その上で周りの人にお願いをしたり、職場の人に話してみれば、きっと力になってくれるでしょう。
職場に伝えるときには、ノートで整理した内容を「職場に提出するシート」に書き込んで、あなたの希望や相談したいことを話してみましょう。

生活を記録する

自分の心やからだの状態は、生活のなかで日々変化していきます。また、人と話したこと、経験したこと、体調の変化などによって、自分の考えや価値観が変わり、がん治療に求めることも変わっていくかもしれません。そこで、日々の生活のなかで経験したこと、感じたことを書き留めながら、自分のことを見つめなおしてみましょう。また、記録をつけることで、興味を持ったことについて周りの人と話すきっかけになるかもしれません。

治療を記録する

今のあなたのからだの状態をはじめ、手術がおこなわれた後や、抗がん剤の投与が終了したタイミングなどで、治療の内容や副作用の症状を振り返って記録しましょう。がんの治療に関する情報をまとめることで、現在の治療の状況が整理され、日々の診療で医師や看護師さんとお話をしたり、新たな医療機関を受診する際の助けとなるかもしれません。

日々の治療のなかで
あなたが現在抱えている
症状を主治医に伝える

がんの治療中には、痛み、だるさ・倦怠感、眠れない、食べられないなど、さまざまな症状があらわれます。あなたが抱えている症状に該当するページを参考にして、あなたの今の状態を医療従事者に伝えてみましょう。各リンクをクリックすると、わたしらしいがん治療ガイドさまざまな症状の伝え方へ遷移します。