がんになっても -がんの治療を、その人「らしい」生活のなかで。-

アストラゼネカ

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乳がん・前立腺がん・肺がんを中心に患者さん・ご家族の体験談、高額療養費制度などの情報を紹介

私からのメッセージ

青木 美保さん
「自ら参加する医療〜乳がんサバイバーである看護師の体験から」

患者として、生活者として、自分の中で折りあいをつける

――病気や治療に関する情報とは別に、先輩患者=サバイバーの知恵はなぜ必要なのですか。リリーさんの本はそこに特徴がありますね。

 治療を受けているときは患者ですが、治療の合間、あるいは治療終了後は一人の生活者です。生活者としての自分は、治療を受けることによっていろいろな制約を受けます。入院する、外来で化学療法を受けるなど治療を受けるために通院する場合には、勤務のしかたを変えなければならないこともあります。

 患者としての自分を優先しすぎると、生活者としての自分が犠牲になり、生活が充実したものでなくなってしまうかもしれません。ですから患者としての自分と生活者としての自分に折り合いをつける必要があります。その知恵は医師が著す本には書かれていないし、意外に情報が少ないのです。乳がんはとくに治療の期間が長く、20〜40代の若い患者さんもいます。結婚前であったり、結婚直後であったり、子育て中であったり、そういったことと治療を受けることの関連性、影響についても考え、いろんな知恵が必要になります。リリーさんはこのことに気づき、本に書いたのだと思います。

――折りあいをつける知恵とは、たとえばどんなことなのでしょうか。

 治療を受けながら日常生活を送るための工夫です。

 私の場合は人と多く接する仕事をしていましたので、脱毛したままの姿を人に見せることに抵抗がありました。そこでウィッグ(かつら)を購入することにしました。このウィッグには1年2カ月程度お世話になりましたね。

青木美保さん

 他にも治療費のことなどさまざまな問題が出てきますが、ひとりで抱え込まずに、患者会等に参加したり病院で看護師やソーシャルワーカーの方に相談してほしいです。

 乳がんの体験をとおして、私は小さなことに汗水たらしてがんばりすぎないことを学びました。たとえば、化学療法を受ける日の晩ご飯を今までどおりにする必要があるでしょうか。冷凍した作りおきのおかずや出前にすると決めてしまってもいいと思います。体調のいい日におかずは作り置きしておけばいいのですから。また掃除を完璧にする必要があるでしょうか。自分でがんばらなくても、家事は誰かに手伝ってもらえばいいのです。治療を受けながら日常生活を送るための工夫を見つけてほしいです。そして、乳がんの治療という大きなことに取り組んでいるのですから、ひと区切りの治療が終わったときは、ぜひ自分自身を褒めてあげてください。

家族や周囲のサポートを受ける

――病気のことを誰に、どのように伝えるかは、なぜ重要なのでしょうか。

 治療はいつも順調とは限りません。体調が悪いとき、気分が落ち込んでいるとき、いろいろな状況がやってきます。そんなとき、自分を手伝ってくれる人の存在があれば、とても助かるし、心強くもあります。いつ誰がどこで何をどう手伝ってくれるか、計画が立てられるとすれば、強いサポートになります。それは伴侶やパートナー、両親、子供、近所の主婦仲間、子供の父兄仲間、古くからの友人、会社の同僚かもしれません。病気にかかったことを秘密にしなくてよい事情なら、そういった人に折々の病状を知らせれば、手伝いを申し出てくれることもあるだろうし、つらいときはこちらから頼むことがあってもよいかもしれません。子供たちも一定の年齢になれば家事を分担してくれたりします。こういった人たちの支えが強力なほど、つらい治療も乗り越えることができるのではないでしょうか。

健康な人と変わりなく見えても、必要なサポート

──治療が終わったあとは、周囲のどのようなサポートが必要ですか。

  化学療法なども終え、つけていたウィッグ(かつら)も取れるころになると、外見上は健康な人と変わりなく見えます。治療が全て終わったというふうに家族や周囲の人は感じるかもしれませんが、実際には、再発を防ぐための薬を飲んでいたりするので、副作用や再発の不安から完全に解放されたわけではありません。そのあたりを周囲の人たちにも理解してもらえるとありがたいですし、精神的なサポートを続けてほしいと思います。

次回は、【サバイバーとして自分らしく生きる】をお届けします。

皆さまの体験が誰かの生きる力になります

「自分らしくがんと向き合う皆さんの姿、想い」
「患者さんからご家族への想い」「ご家族から患者さんへの想い」

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