がんになっても -がんの治療を、その人「らしい」生活のなかで。-

アストラゼネカ

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乳がん・前立腺がん・肺がんを中心に患者さん・ご家族の体験談、高額療養費制度などの情報を紹介

私からのメッセージ

額田 勲さん
「自身のがんと向きあいながら、
地域に根ざした医療で患者さんを支える」

病院経営の責任が増す中、検査で疑われた前立腺がん

――地域医療を担っている中、2005年に前立腺がんが見つかり治療を受けられたそうですね。その経緯をお話しください。

額田勲さん

病院の大規模な改築を行うために自分の健康チェックをする必要に迫られました。多額の借金を背負うことになるので、社会的に無責任なことはできないからです。そのとき腹部の超音波検査で前立腺の肥大症がわかったんです。以前から少しその兆候はあったのですが。そこで血液を採って、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA値を計る検査を受けたところ、前立腺がんが疑われる結果となりました。そして、その3カ月後の検査では、さらにPSA値が急上昇していたためがんの疑いが強まりました。医師としての経験上、これは間違いないな、と直感。一挙に不安が高まりました。

確定診断をするには、組織の一部を採る前立腺生検の検査をしなければなりません。私は特定のがんを除いてがんは長く付きあう慢性疾患と捉えています。そういう意味で長い闘病のスタートが大切であると考えていた私は、親身になってくれる友人のいる鹿児島で診断を受けることにしました。

自身の病気を長く付きあう慢性疾患と捉える

――治療を受ける施設はどのように決めたのですか。

医師の私にとっても、治療を受ける病院選び、治療法の選択は簡単に決められることではありませんでした。再発する可能性はあるだろうし、年齢からしても、次にどんながんになるかわからない。でも病院経営の仕事を続けていく中で、そう頻繁に遠くの病院に行くことが現実的なのだろうかと考えていました。

私の病気を聞きつけた医師仲間たちは、それぞれに東京のがん専門病院なども含めていろいろな医療施設を候補として勧めてくれました。しかし迷った末、地元神戸の基幹病院を選びました。確たる根拠はなかったのですが、前立腺がんは長く治療を続ける慢性疾患だと言い聞かせ、また、再発したときのことなどを考え、遠くの有名病院より地元の利を選びました。 医師である私でも正直迷い、不安の多い日々を過ごしていました。

――治療法はどのように選ばれたのですか。

病院選びよりももっと迷ったのは治療法です。 前立腺がんは手術、放射線療法、薬物療法、経過観察まで選択肢が豊富です。選択肢の多さは、患者にとって大きなメリットだという風に漫然と理解していました。しかし、当事者として多くの情報を収集するうちに、なんと私の迷いは日を追ってどんどん深まる一方でした。私の場合、最終的に手術と放射線療法が残り、思案の末、手術を受けることにしました。

まず、手術の際に切り取った前立腺がんの組織を詳しく調べることで、かなり正確にがんの拡がり具合を確認できるという泌尿器科医の助言が背中を押してくれました。また、私は仕事上、治療に長く拘束されるのをできるだけ避けたかったので、1回の治療時間は20〜30分と短くても、週5日通院と、約2カ月間の治療期間が必要な放射線療法よりも、短期間の集中治療的な手術を選択したということもあります。結果的に、術後10日目に退院できました。しかしこれは、あくまでも体力と相談の上での話で、人それぞれ異なってくると思います。

もう一つは、自分の年齢を考えるとこれから先に新たながんが見つかった時、体力が低下した年齢では手術が難しく、放射線療法に頼らざるを得ない可能性が出てきます。人それぞれでしょうが、このような漠然とした将来へのおそれも重視しました。

日常生活への影響も考え治療法を選択する

――手術を選択したとき、術後の生活への影響は考慮しました

額田 勲さん

前立腺がんの手術では、排尿をつかさどる神経が部分的にダメージを受け、退院後に尿漏れが起こることもあります。多くは一時的なものでいずれ回復するのですが、時には数カ月から数年、回復しないリスクもあります。私の場合は短期間で回復しましたが、当然このような日常生活への影響も考えて治療法を選ぶ必要があります。

手術に限らず、がんの治療法を選ぶ場合はその治療法に伴うリスクがどれほどの確率で発生するか、発生した場合はどんな対処法があるかといったことについても考慮しなければなりません。難しいことではありますが、自分がこの先どんな風に過ごしていきたいかを考え、治療法を選ぶことが大切です。

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