卵巣がんの体験談

悩みや不安を抱えたときにどのようにがんと向きあえばよいのか。
自分らしくがんと向きあう患者さんやご家族の体験談・メッセージなどをご紹介します。

みなさまの
体験談
患者
  • がんの治療を終了し、定期的な検査通院中

卵巣がん 24歳 女性 会社員

私は2度の卵巣がん、卵黄嚢腫瘍を経験しました。
とはいっても1度目は5歳の時で殆ど記憶にありません。
当時は生理は勿論、性的知識もなかったですし、長い病院生活で他の子との違いを感じていた位です。

定期的に通院はしていましたが、幸い再発はしなかったし、あまり深くは考えた事がなかったです。 私が学校でそういう教育を受けた頃、母から私が卵巣がんだった事、茎捻転で右卵巣、卵管がない事を教えられました。
当時私が退院した時にまだ入院していた同じ卵黄嚢腫瘍の(当時は私はお互い卵巣がんとは知りませんでしたが彼女は知っていたようです)2つ上のお姉ちゃん的女の子がいたのですが私が退院して間もなく亡くなっていた事も聞かされました。
私は頑張って生きて行こうと思いました。
心配していた初経も少し遅く13歳で無事に来て、ちゃんと排卵もしている様で安心していました。

でも高校も決まり、入学直前に受けた検診で再発が見つかりました。
左卵巣が腫れて、子宮に周り込むように大きくなっている
そんな状態でした。
私は高校の入学式の2日前に残っていた子宮、左付属器の摘出を受けました。 幸いリンパ節、遠隔転移せずにいてくれたのが不幸中の幸いだと思うようにしています。

高校が私立で、理解があったのもあり、私は休学扱いにして貰え、2学期から無事に復学はできました。
夏休み前に退院し、通院しながらの抗がん剤治療は半年+3ヶ月続きましたが。(一時期腫瘍マーカーが上がった為)
入院中、暇で抗がん剤で体調が悪くない時以外は勉強ばかりしていた為、成績もかなり良く(卒業まで学年10番以内はキープしてました)、出席日数が足りないのも補填してくれて留年せず卒業しました。 女子校だったのもあり私の病気の事を理解した上で皆付き合ってくれ、共学でなくて良かったと思います。
ただ皆が彼氏や将来の話をする時だけはやはり私は皆と違う
私は普通の恋愛も出来ないし、いつ再発するか分からないし子供も産めない。
この考えだけは消せませんでした。

勇気づけられた言葉、場面

私はその後、大学に進学しました。
推薦貰えてもおかしくない位優等生だったのですが、やはり出席日数の問題で普通に受験、中学時代からの私を知る親友と同じ大学でした。
私と親友は結構なお嬢様学校出身なのもあり、それなりに人気があり出逢いはあったのですが(2人共写真が趣味で女子が少ないサークルにいたのもありますが)、いつの間にか上手くかわす心得を得て、親友も私を気にしてか付き合おうとはしませんでした。

でも私には今素敵な婚約者がいます。
私も彼もお互いに一目惚れに近く、初めて教職員(大学にはカミングアウトしてませんでしたが)以外で異性に病気の事、もう子供が産めない身体の事をカミングアウトしました。
彼は医学部で全てを理解した上で受け入れてくれました。
「身体の事なんて関係なく好きになったからどうでもいい」
と。
私は4年制で先に卒業しましたが彼は昨年度卒業し、現在は母校の大学病院で研修医をしており、研修が終われば結婚を約束してくれています。
幸い再々発はしていませんが、彼に出逢えて前向きに生きられるようになりました。