卵巣がんの体験談

悩みや不安を抱えたときにどのようにがんと向きあえばよいのか。
自分らしくがんと向きあう患者さんやご家族の体験談・メッセージなどをご紹介します。

みなさまの
体験談
患者
  • がんの治療を終了し、定期的な検査通院中

卵巣がん 42歳 女性 

私は、今から12年前の30歳独身のまだ、OLだった時に卵巣がんになりました。 今は、再発もなく、術後12年が過ぎました。半年に1回、腫瘍マーカーの検査だけを5種類受けています。 当時のインフォームド・コンセントは実にアバウトで、今のように病名のはっきりしたステージや、病気の種別も説明してもらえませんでした。 投薬する抗がん剤の名前さえもでした。

今は、あるきっかけがあって、当時のカルテを開示していただき、私のステージはTc期(腹水にがん細胞あり)の粘液性腺がんだったことがつい半年ほど前にわかりました。私の病巣は、左卵巣部のみでしたが、若い事もあって右卵巣・子宮・リンパ節・大網を郭清されました。 私は、この手術で、子供が産めない体になりましたが、どうしても結婚という夢が捨てられませんでした。5年受けろと当時言われていた多剤併用化学療法も抗がん剤も体が、13回目でとうとう、受け付けなくなりました。

これを契機に、私は「今後の人生の時間は、自分の免疫だけを信じて、生きていこう!」と信じ、「再発したならその時また考えればいい!」と一大決心を固め、3年(多剤併用化学療法13回)で、抗がん剤をやめました。 それから、9年経ちましたが、今・・・私は、こうして見合結婚で、「子供がいなくてもいい」と言ってくれる男性と巡り逢い、35歳の時に、結婚をしました。

結婚は、簡単に出来たことではありませんでした。結婚相手紹介センターに登録をし、そして、その紹介されたお相手から、何度も、見合いの席で「子供が産めないこと」で断られ続けられました。が、私は『結婚』という、「永遠に二人で歩むパートナーがほしい」という夢をどうしてもどうしてもあきらめられず、失意の中でも、諦めずに前向きにチャレンジしていたら、今の主人と出会えたのです。

勇気づけられた言葉、場面

人生には、つらくて、悲しくて、もう自分が踏み越えられないかもしれないというほど、深い悲しみが出来てしまうときがあります。
それが、病気であったり、うつであったり、更年期であったり、がんであったり、仕事の悩みや、人間関係の悩みであったり・・・。
でも、「絶対に人には乗り越えられない試練は神様は与えられない」のだという言葉を私が通っていたミッションスクールの高校時代に、シスターがおっしゃっていたその言葉を思い出しました。



その試練を乗り越えた後には、絶対に幸せが待っていて、その試練を超えなければその絶景は、見えないのだということ。

これを、私はがんになって、今の主人を得て、見合いで、ゼロから二人で人生を作っていく事を含めて、この言葉の意味を学んだ気がしています。
あきらめることは、その場ですぐ出来ます。

でも、あきらめないことが、夢や希望を実現させるのです。

私も、何度も相手の男性から、子供を産めないことで断られました。

そんな断られ続けているうちに、自分の価値が全否定をされている気がして、「私は、もうこの世には私は必要とされていない人間なのかもしれない」とまで思い、何もかもあきらめそうになったこともありました。

でも、子供が産めないことだけが、女性の価値でもなく、またそれだけが幸せでもないと今、確かに思います。『何が何でも夢や希望を最後まであきらめないこと』・・・これが幸せを掴む鍵なんだと思います。