がんになっても -がんの治療を、その人「らしい」生活のなかで。-

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がんの患者さんやご家族の体験談、自分に最適ながん治療にたどり着くための情報を紹介しています

自分の今を伝える 〜なぜ、「自分」を伝えるのでしょう〜

医師や医療スタッフは、あなたの病気(がん)について、あなたよりも、ずっとよく知っています。でも、がんと診断され治療をはじめたばかりのころや、治療をはじめてから時間が経っていたとしても、あなたが自分のことを医師や医療スタッフに話さなければ、あなたがどんな人なのか、彼らはほとんど知りません。
医師や医療スタッフに、あなたのことを「知ってもらう必要ある?」と、あなたは考えるかもしれません。

―― 知ってもらう必要、あります!

たとえば、治療を開始するとき。
現在のがん治療は、チームで進めていきます。
医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなどの医療者だけでなく、患者であるあなたやあなたの家族もチームのメンバーです。

もしあなたが、よく知らない人と一緒に、大事な仕事に取り組むことになったら、
相手のことを知りたいと思いませんか?
今まで、どんな仕事をしていたのか。学校では何を勉強したのか。
前に出て交渉するのが得意な人なのか、黙ってコツコツと仕事を進める人なのか。
せっかちで早とちりするタイプなのか、いろいろと考えすぎて決断が遅くなるタイプなのか。
相手のことを理解しているほうが、よいチームをつくれますよね。
がんの治療も、同じです。

そして、現在のがん治療は長期戦です。
だからこそ、あなたのこれからの生活や人生を大切にする必要があります。
今までの日常に、「治療」という新しい事柄がひとつ追加されると考えてください。
がん治療という長期戦にチームで取り組んで、あなたのこれからの人生を守りつつ、最大の成果を発揮するためには、チームのメンバーが同じ目的に向かって進むことが重要です。

まず、チームのメンバーがお互いを理解するために、自己紹介からはじめましょう。
あなたの好き・嫌い、得手・不得手、大切にしていること・ものは何ですか?
気になっていることはありますか?
がんと診断され、不安な気持ち。治療方針でわからないこと。些細なことだと思わず、自分の気持ちをことばにして伝えてみましょう。
治療をはじめるときだけではなく治療が進むなかで、自分の気持ちや考えをしっかり伝えることで、チームのメンバーはよりあなたを理解して、信頼関係を築くきっかけになります。

また、相手の性格やポリシーに合わせて伝え方や相談方法を変えるのは、がん治療チームに限らず、どんな世界でもごく自然なことです。
お互いの人間性を知ることで、意見や疑問を口にしやすい、コミュニケーションが円滑なチームが生まれるはずです。

このサイトでは、あなた自身について考えを深め、医師や医療スタッフに気持ちを伝えるためのツール「わたしらしいがん治療ノート」をご用意しています。

自分の今を伝える 〜なぜ、「自分」を伝えるのでしょう〜

過去と現在(これまでの自分と今、大事なこと)について

あなたがこれまで、どんな人生を歩んできたのか。
何が得意で、何が苦手か。
そして、がんと闘うのに役に立つ経験や知識を持っているかどうか。

医師や医療スタッフに、知っておいてもらったほうがよさそうな事柄について考えてみましょう。

過去と現在(これまでの自分と今、大事なこと)について

Q.あなたは、今まで大きな病気をしたことがありますか?

病気やけがで入院や手術を経験したことがある方に比べて、そのような経験が全くなく、自分が大きな病気をするとは夢にも思っていなかった方のほうが、ショックが大きく、落ち着きを取り戻すのに時間がかかるかもしれません。治療や手術への不安感も大きくなりがちです。

Q.あなたの身近な人が、がんになったことはありますか?

家族や身近な人が、がんと闘うのを支えたことがある方は、治療がどのように進むのか、具体的にイメージすることができるでしょう。それは、ご自身の闘病に役立つかもしれません。
ただ、がんの種類や病状は一人ひとり異なります。身近な人の闘病が10年前、20年前だった場合、最新の医療は全く別物になっている可能性もあります。

Q.あなたは、医学や身体の仕組みについて詳しいですか?

専門的な勉強をしたことがある方は、医師や医療スタッフにそれを伝えておいたほうが、お話ししやすくなるかもしれませんね。
逆に、あまり詳しくない場合も、それを伝えておけば、医師も資料を用意したり、説明の仕方を工夫したりしてくれるでしょう。

Q.あなたは、思ったことをはっきりと言えるタイプですか?

遠慮しがちで思ったことを口に出せないタイプの方は、そのことをまず伝えたほうがよいでしょう。そうすれば、医師は丁寧に質問してくれたり、あなたが答えるのをゆっくり待ってくれたりするかもしれませんし、医師以外の医療スタッフと話をする時間を設けるなどしてフォローしてくれるでしょう。もし、直接話しづらい場合は、メモに書いて渡してもよいでしょう。

Q.あなたの仕事、家族、生きがいは何ですか?

「がんの治療をはじめましょう」と医師から言われたとき、あなたの頭のなかでは、「仕事はどうしよう」「家族は大丈夫だろうか」「やりたいことがあったのに」と、さまざまな思いがうずまいたことでしょう。
医師から「今は治療が最優先です」と言われても、これまでの仕事、家族、生活をすべて放り出してしまうわけにはいかないのが、人間というものです。
あなたがこれまで担ってきた責任や役割について、また、治療のためにその役割から離れることの苦しさを、医師や医療スタッフに知っておいてもらえると安心です。

今、あなたは、がんの治療という重大なプロジェクトを抱えています。

これまであなたが担ってきた仕事、家族や仲間との約束、地域での役割を中断したり、ほかの人に託したりして、そのぶん治療に力と時間を注ぐことが必要です。

でも、わかっていても、役割を果たせない悔しさ、寂しさは、なかなか消えないかもしれません。

治療が大事なのはわかっているけれど、治療と同じくらい大事だと思うことがあったら、ことばに出さないままあきらめる前に、医師や医療スタッフに伝えてみてはいかがでしょうか。

たとえば、お子さんの結婚式など、家族の大切な門出を目前に控えているという話は、
がん患者さんの年齢層からみてめずらしくありません。

現在、がんの治療法には、多くの選択肢があります。
自分ひとりで抱え込むより、治療チームみんなで考えるほうがよい知恵が出るかもしれません。
もし、医師から「治療のほうを優先してください」と言われたとしても、あなた自身の優先度や価値観について相談すること、治療と同じくらい大事なことがあると伝えることは、とても大切です。

もし、あなたが治療を優先するのをためらっていて、その原因が治療そのものではなく仕事や家族にあるのなら、どちらもあきらめないですむ方法を、あなたのための医療チームに相談しましょう。

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過去と現在(これまでの自分と今、大事なこと)について

未来(これからの自分)について

がんと診断される前に、あなたは、これからの人生をどのように思い描いていましたか。

今のあなたの年齢、家族の年齢、職場や社会でのあなたの役割によってさまざまでしょう。
楽しみにしていることだけではなく、心配ごともたくさんあることでしょう。

がんの治療は、これからの人生を歩んでいくための手段です。
つまり、新しくがんとの闘いというミッションが加わっただけで、土台となる、あなたの生活や人生はこれからも変わらず続いていくのです。

過去、現在と、自分自身の価値観を見つめなおしてみると、これから先も、果たさねばならない役割や、心待ちにしている予定などがたくさんあることに気づいたと思います。それらに向けて、体調を整え、計画の実現に向けて取り組んでいきましょう。

そして、将来への心配ごとは、家族や仲間の助けを借りて解決しましょう。
医療や福祉のサービスが活用できる可能性もあります。

あなたが安心して治療に取り組むためにも、家族や職場の仲間、そして医師と医療スタッフに、あなたの思いを伝えて、サポートしてもらってください。

未来(これからの自分)について

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自分の性格、考え方、希望を伝える

がん治療に対する向き合い方は人それぞれ。
あなた自身を深く知ることが、あなたに適したがん治療を見つけるヒントになるかもしれません。このコンテンツを参考にして、あなたの治療に対する希望をどのように伝えるか、考えてみましょう。
あなた自身の希望を知るためには、こちらも参考にしてみてください。

自分の性格、考え方、希望を伝える

Q. 病院・お医者さんが苦手ですか?

病院はなんとなく苦手だと感じてしまうことや、医師と向き合うと緊張してしまうことはめずらしくありません。そんなときは、一番身近な家族などにサポートをお願いし、自分が考えていることを医師に伝えてもらいましょう。また、看護師やソーシャルワーカーなど、伝える相手を変えることで気楽に話せるかもしれません。誰に聞けばいいのかもわからない…。そんなときは、地域のがん拠点病院にあるがん相談支援センターganjohoに問い合わせてみるといいでしょう。

Q. 自分が思ったことを、はっきり伝えられますか?

日常生活でも、自分が考えていることを相手に的確に伝えるのは難しいことです。まして医師を目の前にしたら遠慮してしまってとても話せない、という人もいるかもしれません。
しかし、医師はあなたの思いを知りたいと思っています。がんと診断され、不安な気持ち。治療方針でわからないこと。些細なことだと思わず、自分の気持ちをことばにして伝えてみましょう。
どうしても緊張してしまって医師とうまく話す自信がないという方は、話しておきたいこと、感じていることなどをあらかじめメモしておき、診察のときに渡してみてはいかがでしょう。医師と話すことが苦手ではないという人でも、メモを用意して見ながら話せば、あとになって「これも伝えておけばよかった」ということが少なくなるでしょう。

Q. 病気や治療について自分で積極的に調べますか?

今はがんに関するいろいろな本も出ていますし、インターネットで調べれば多くの情報が手に入ります。ただ、そこには正確ではない情報や、正確であっても自分にあてはまるかどうかわかりにくい情報もあり、ご自身で適切な情報を取捨選択することは難しい場合もあります。
そこで、国立がん研究センターが運営しているがん情報サービスganjohoをおすすめします。このサイトにはがん患者さんが必要とする正確な情報がそろっています。
もしご自身で調べた内容に少しでも疑問に感じる点があれば、ぜひ主治医に相談してみましょう。

Q. 自分の病気のことはぜんぶ知りたいですか?

かつてがん治療では、患者さん本人には詳しいことを告げないまま治療がおこなわれることもありました。しかし、現在は患者さんに病気のことや治療のことを話し、患者さんの同意を得たうえで治療法を決めるようになりました。
ただ、自分の余命のことや病気についてあまり詳しく知りたくないという人もいるかもしれません。その場合は、詳しいことは自分ではなく家族など別の人に話してほしいと、あらかじめ医師に伝えておきましょう。

Q. 治療のことはぜんぶ自分で決めたいですか?

がん治療では、主治医から十分な説明を受けて納得したうえで、最終的にあなたとご家族がどの治療をおこなうかを決めます。でも、専門家である医師に決めてほしいという人もいるでしょう。
そんなときは、自分は何を大切にしているのか、どんなことをしてほしいのかなど、あなたの思いをできる範囲で伝えてみましょう。たとえば、娘さんの結婚式がひかえていることや、時間をかけて準備してきた発表会への出演など、あなたが大切にしているイベントがあることを医師に伝えることで、治療内容やスケジュールについて具体的に相談することができるでしょう。
このように、医師や医療スタッフがあなたの思いや考えを知ることで、よりあなたに適した治療を見つけやすくなるのです。

Q. つらい治療でも頑張りたいですか?

がん治療には副作用を伴うものがあります。副作用の症状はお薬の種類や患者さんによってさまざまです。現在は、副作用を軽減するお薬の開発が進み、症状をすぐに緩和できるようになりました。
しかしながら、副作用によっては今後、がん治療を続けるかどうかに影響が出る場合もあります。自分はがまん強いから大丈夫という方であっても、なるべく早い段階で自分が感じている症状を主治医に伝え、早めに対策しておくことが大切です。
また、つらい治療はできれば避けたいと思っている方は、あなたにとってどんなことがつらいのか、どんな症状は避けたいのか、あらかじめ主治医に伝えておくといいでしょう。

Q. 大事な話は誰と聞きたいですか?

自分にとって大事な話は誰と一緒に聞きたいですか。ご家族ですか?あるいは親族や友人でしょうか?
あらかじめ思い描いておき、大事な話を一緒に聞いてもらいましょう。

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監修:国立がん研究センター がん対策情報センター

2019年9月掲載

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