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がん治療中のスキンケアとメイクのヒント

美容ジャーナリスト 山崎 多賀子さん

山崎 多賀子さん

会社員、女性誌の編集者を経て美容ジャーナリストに。乳がん体験者として、患者さんのための美容法を提案する。NPO法人キャンサーリボンズの理事。NPO法人あなただけの乳がんではなくの社員。
各地で患者さんのための講演やメイクセミナーを行うほか、鹿児島県にある相良病院とともに抗がん剤治療中の女性のための冊子を作成するなど、患者さん向けの執筆活動を行う。著書に『「キレイに治す乳がん」宣言!(光文社)』がある。

外見の変化は患者さんの心の負担に・・・

治療中も明るく過ごすための手段を持ちましょう

体調がいいときは普通に生活することが大切

私は抗がん剤治療が始まる前、身体へのダメージとともに、脱毛による外見の変化について不安になりました。脱毛したら、きっと人に会う勇気がなく、家に引きこもってしまうだろう。仕事や趣味、近所への買い物も、すべてあきらめなければならないと思うと、どん底に落ちていく気分でした。
同時に、「がん患者」になっただけでもショックなのに、その上こそこそ生活するなんて理不尽だ。本当にすべてをあきらめる必要があるのか?とも思いました。
治療中、体調が悪いときは、外見を気にする余裕もなく寝こんでしまいますが、体調がいい日もけっこうあります。そこでそんな日は、ウィッグや帽子を味方につけ、少しおめかしして、「普通の生活」に戻るように心がけてみました。

外見をキレイに復活させると、自信がついて「自分らしさ」も復活

ところが、眉やまつ毛が抜け、肌がくすんでくると、ウィッグや帽子だけでは病人の印象から抜け出せません。でも私は職業柄、元気に見えるメイクのポイントを知っていたので、それを試すと、誰も私を病人だと気づかない。むしろ、少し痩せたせいか「キレイになった?」と言われたくらいです。外見を取り戻すことで、自信が生まれ、本来の自分らしさを取り戻すことができたのです。
がん患者だって、普通に生活がある。自分らしく生きたい。これからも、そんな患者さんの想いを支えることのできる、美容法を提案していきたいと思います。

元気に見えるメイクアップのコツ

メイク前の保湿が大切です

美しくメイクを仕上げる最大のコツは、メイク直前の保湿です。乾燥でパサパサした肌にファンデーションをのばすと、のびが悪く、白浮きしてしまいます。美容液や乳液、クリームなどで肌を潤いで満たしておきましょう。肌に潤いがあると、健康的なツヤが出て、メイクもナチュラルな仕上がりに。日中の乾燥からも肌を守ります。

肌のくすみやクマ、しみが気になるときは、専用の下地を

気になる肌のくすみや目の下のクマ、しみには、色つき下地(コントロールカラー)や目元のクマをカバーする下地(目元用コンシーラー)を、ファンデーションの前に塗りましょう。ファンデーションの厚塗りを防ぎ、自然に隠すことができます。

チークカラー(頬紅)を入れることで元気な印象に

チークカラー(頬紅)を入れることで元気な印象に

頬に血色を与えるチークカラーを入れ、元気な印象をつくりましょう。

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まず、ニッと笑ったときに頬の筋肉が盛り上がる顔の正面にふんわり丸く入れます。
A
さらに、頬骨に沿ってうすくぼかしましょう。チークカラーは顔に血色を与える以外に、入れた場所をふっくら高く見せる効果があり、頬の筋肉の位置に入れると、幸せそうに笑って見えるのです。
B
また、頬を高く見せることで、顔が引き締まって見える作用もあります。
仕上げに、白や淡いベージュ系のハイライトカラーを目と頬の間に入れてぼかすと、肌全体の透明感が上がります。

つややかな色で顔色がよく見える口紅を

口紅は顔写りがよい色を選びましょう。また、つややかなタイプの口紅やリップグロスを使うと、唇がふっくらし、イキイキとした印象を与えます。

マニキュアで指先からウキウキ気分

マニキュアで指先からウキウキ気分

爪は常に自分の視界に入るので、好きな色のマニキュアを塗るだけで心がウキウキします。
治療によっては、爪がもろくなったり黒ずんだりするトラブルにもマニキュアが役に立ちます。
ただし、除光液は爪が乾燥してしまいますので、ひんぱんな塗り直しには注意しましょう。

男性の方でも気になる場合には、色はベージュでつやなしマットタイプのものを使ってみてもよいでしょう。

上手な眉の描き方

上手な眉の描き方

眉はポイントさえ押さえれば、自然で美しく描くことができます。とくに重要なのが眉頭で、ここで顔のイメージが決まると言っても過言ではありません。眉頭を左右対称の高さ、角度、太さに描くよう心がけましょう。
眉墨(アイブロウ)は、ペンシルでもパウダータイプでも構いません。色はブラウンでもグレーでもいいのですが、ブラウン系のほうが自然で優しい印象になります。

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眉頭は鼻筋から眉骨へつながるカーブの延長線上にとり、目頭と同じかやや内側から描き始め、眉骨に沿って眉山までゆるやかに上昇させます。
A
眉山は黒目の端から目尻の上の間の位置を目安にし、眉山まで達したら、なだらかに下降させて眉尻まで描きます。
B
眉尻は、眉頭の高さよりやや上にとどめると、若々しい印象になります。

男性の場合も手順は同じですが、やや太めにしましょう。色は黒かグレーが自然です。
また、市販の「つけまゆげ」を使ってみてもよいでしょう。

自然なアイラインの入れ方

濃い色のアイラインペンシルやアイシャドウで目頭から目尻までアイラインを細く入れてぼかすと、目に存在感が出て、目力が復活します。
目元はデリケートな部位なので、肌荒れなどがある場合は、アイメイクは控えましょう。

自然なアイラインの入れ方
自然なアイラインの入れ方

スキンケアを生活習慣に

治療開始時から対策を

皮膚のトラブルは、自分自身のコンディションを低下させるだけでなく、人とのコミュニケーションに影響することもあります。また、重症化すると治療そのものを中断せざるを得ない場合も出てきます。症状の発現を予防したり重症化を防ぐためには、治療開始時からのセルフケアが欠かせません。

抗がん剤や放射線の治療によって、皮膚症状が起こる原因

皮膚の表面は皮脂膜で覆われています。皮脂膜は紫外線や細菌などの異物の侵入を防いだり、皮膚の内部の水分を保つ役割をしていますが、治療の影響で皮膚の表面が傷ついたり、皮脂膜がうまくつくれなくなるとそのバリア機能が壊れ、トラブルが起こりやすくなります。

抗がん剤の種類によって出やすい症状は異なります

  • 顔や背中、胸などに出るニキビのような皮膚炎
  • 手足症候群と呼ばれる症状(なんとなくピリピリする、違和感がある、しびれるなどが初期症状)
    代表的な症状は、当たったり体重がかかるところが、赤く、硬くなるなどです。それによって痛みが生じ、ひどいときは割れてくることもあります。また、別の症状としては手のひらや足の裏全体が赤くなり、むくみや腫れが出るもの、茶色の斑点が出るもの、ひどいときは皮がめくれたりするものもあります。
  • 爪囲炎(そういえん)では、最初、爪の縁が赤くなり、ひどくなると赤い肉のような塊ができたり、汁が出て痛くなったりします。
  • しばしば全身が乾燥しやすくなり、かゆみを伴うこともあります。
  • 症状は抗がん剤の種類によっても異なりますので、医療者に問い合わせてください。

肌に直接触れるものを選ぶときは肌への刺激ができるだけ少ないものにしましょう

  • スキンケア用品は、低刺激、アルコールフリー、無着色、無香料のものを選びましょう。
  • 衣類は皮膚に刺激が少なく、ゆったりとしたやわらかいものを選びましょう。
  • 化粧品は肌への負担が少ないものを選びましょう。しかし、今まで使っていたもので問題がなければ必ずしも変える必要はありません。化粧はこすらず落とし、化粧をしていいかどうか迷ったら、医療者に相談しましょう。
  • 症状が気になったり違和感を感じたら、早期治療のために、すぐ医療者に相談しましょう。

仕事の種類やスタイルによっても皮膚への負担は違います

パソコン作業など指先を使うことが多い、水仕事が多い、外回りが多い(日差しを浴びることが多い、足の裏に負担がかかりやすい)など、気になる部分があればよりていねいにスキンケアをしましょう。勤務中でもできるだけこまめに保湿したり、紫外線対策をしましょう。足を締めつけない靴選びも大切です。

スキンケア 3つのポイント

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保清(皮膚を清潔に保つ)
ゴシゴシ洗わず、洗浄剤はよく泡立てて、優しくていねいに洗う。
A
保湿(皮膚の潤いを保つ)
できるだけこまめに保湿ケアをして、全身に潤いを与える。
お風呂上がりは15分以内に保湿剤を塗る。
B
保護(外的刺激から皮膚を守る)
紫外線(日焼け)防止に帽子や日傘、手袋などを使う。
日焼け止めを使う。耳の後ろや指先、足の甲など忘れやすい部分に注意する。
圧迫しない靴や靴下を選ぶ。湿布やばんそうこうは貼らない。

スキンケアを生活習慣に

NPO法人キャンサーリボンズ発行「がんと働く」リワークノート 34、35pより改変
山ア直也先生(国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科科長、キャンサーリボンズ委員)監修

キャンサーリボンズ http://www.ribbonz.jp/

皆さまの体験が誰かの生きる力になります

「自分らしくがんと向き合う皆さんの姿、想い」
「患者さんからご家族への想い」「ご家族から患者さんへの想い」

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