食道内側の粘膜の表面にできるがんで、日本人の場合、食道の中央部付近に発生するケースが約半数を占めています。がんが増殖すると気管や大動脈まで進んだり、リンパ液や血液を通じて他の臓器に転移したりします。初期症状はほとんどありませんが、進行すると飲食物がつかえる、ものを飲み込むときに違和感がある、咳、声がかすれるなどの症状があります。
発生要因としては喫煙と飲酒があります。特に日本人は喫煙と飲酒との関係が深いと言われる扁平上皮がんというタイプが多いです。さらに喫煙と飲酒の習慣が両方あると発症リスクがより高まるとも言われています。1年間に食道がんと診断される人は10万人あたり18.2人、男女別では男性31.2人、女性5.9人と男性は女性に比べ5倍ほどかかりやすいがんです。治療法はがんの進行度と体の状態により、内視鏡的切除、手術、放射線治療、薬物療法から選択され、単独か複数の治療を組み合わせておこなわれます。
出典:
国立がん研究センター がん情報サービス「それぞれのがんの解説」
国立がん研究センター がん情報サービス「がん登録・統計」(2015年)
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2021年9月更新