卵巣がんは子宮の左右にある卵巣のがんです。発生する部位によって分類され、全体の約90%は卵巣表層にできる「上皮性腫瘍」です。進行するとがん細胞が腹膜に広がる腹膜播種を起こしたり、大腸小腸をおおう大網や大血管の周囲にある後腹膜リンパ節、大腸、小腸などに転移したりします。初期にはほとんど症状がありませんが、進行すると下腹部のしこりやお腹の張り、頻尿などの症状があらわれます。
排卵の回数が多いことが卵巣がんのリスクになるので、妊娠・出産の経験がないことや、初潮が早く、閉経が遅いなど月経のある年数が長いことはリスクが高くなる可能性があります。なお、卵巣がんの約10%は遺伝が関係していると考えられています。
1年間に10万人あたり16人が卵巣がんと診断され、患者数は40歳代から増え始め、50歳代前半から60歳代前半が最も多くなります。
治療は手術が基本で、腫瘍の切除とがんの組織の分類と、進行度の診断をします。卵巣がんの多くは発見された時点で進行しているので、ほとんどのケースで術後化学療法がおこなわれます。
出典:
国立がん研究センター がん情報サービス「それぞれのがんの解説」
国立がん研究センター がん情報サービス「がん登録・統計」(2015年)
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2021年9月更新