喉頭は咽頭と気管をつなぐ部分で、のどぼとけの位置にあります。咽頭は空気と食物が通る部分で上咽頭・中咽頭・下咽頭に分かれています。これらの部位に発生したがんをそれぞれ「喉頭がん」「咽頭がん(上咽頭がん・中咽頭がん・下咽頭がん)」と呼びます。
喉頭がんで最も多いのは声門にできる「声門がん」で、早期の症状として声がれ(嗄声)があらわれます。進行すると息苦しさや痰に血が混じることもあります。
初期にはあまり自覚症状がありませんが、上咽頭がんでは頸部リンパ節に転移すると首にしこりができます。中咽頭がん・下咽頭がんでは飲み込むときの違和感、咽頭痛、吐血などがあらわれます。
発生要因には喉頭がん、咽頭がんともに喫煙、飲酒が深く関わっていると考えられています。さらに上咽頭がんではEBウイルス、中咽頭がんではヒトパピローマウイルス(HPV)との関連も指摘されています。
1年間に喉頭がんと診断される人は10万人あたり4.3人、咽頭がん(口腔を含む)は14.5人で、いずれも男性に多い傾向が見られます。
喉頭がんの治療法は、がんの進行度によって異なり、早期は放射線治療や喉頭温存手術、進行している場合は喉頭全摘出術のほか、放射線治療と薬物療法の併用により声を残す治療方法もあります。
咽頭がんの治療法は部位により異なり、上咽頭がんでは放射線治療が標準治療として推奨されています。中咽頭がんは腫瘍の部位、広がり、転移の有無などをもとに、手術、放射線治療、化学放射線療法から選択します。下咽頭がんは、早期では放射線治療や喉頭温存手術、進行している場合は手術が中心となります。
出典:
国立がん研究センター がん情報サービス「それぞれのがんの解説」
国立がん研究センター がん情報サービス「がん登録・統計」(2015年)
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